健康ア・ラ・カルト

【4)気道と肺】  5)ステロイド剤吸入のこつは

質問

喘息(ぜんそく)治療に、ステロイド剤の吸入が効果も高く副作用も少ないと聞きました。どのように使うのでしょうか。また、副作用にはどう注意したらいいのでしょうか。

回答

◎ぜんそくの治療

喘息の治療には以前よりステロイド剤が飲み薬として用いられてきました。ステロイド剤というのは、元来ヒトの体にあるホルモンの一種で、喘息の発作や喘息のコントロールにとても効果のある薬です。ステロイド剤の内服を長期続けると、肺だけでなく諸々の臓器にはたらき、全身にいろいろな副作用をおこします。この飲み薬に対して、吸入剤は肺局所に作用します。そのため、ステロイドの吸入剤は副作用がきわめて少なく、喘息に対して効果のある薬です。  しかし、吸入器を使用するには、少しコツが必要です。吸入するとき、容器から薬剤が勢いよく噴射します。そのため、のどの奥に薬が滞りやすくなります。肺全体に薬を行き渡らせるためには、容器を口から少し離し、ゆっくり息を吸い込みながら、タイミングをあわせて噴射します。どうしてもタイミングのあわない時には、最近では、スペーサーと呼ばれる袋を吸入器と口の間に付けて、一度この袋に薬をためてから吸い込む方法もあります(イラスト)。ステロイド剤の吸入を続けていると、口の中にカビが生えることもありますので、吸入後はうがいが必要です。医師の指示通りの回数で吸入することが一番大切です。