健康ア・ラ・カルト

【17)眼】  3)白内障の手術について

質問

68歳、女性。最近かなり急に右眼がかすみ、もの、輪郭がぼけてきました。

眼の痛みとか頭痛、吐き気などはありません。医師から、白内障ゆえ、手術を受けることをすすめられました。手術はどんな時期に受ければよいのでしょうか。手術後日帰りする人と入院する人とがあると聞きました。今後のためには、どちらがよいでしょうか。

回答

◎「日帰り」可能だが条件も

白内障は、眼球の中の水晶体という組織が濁ってくるため視力が低下する病気です。初期の場合には進行を防止する薬物を使用することもありますが、視力を回復させるには手術を受けるしかありません。

どの程度の視力になったら手術を受けるべきかというのは人によって異なり、一概には言えません。その人が日常生活に不自由を感じたときが、手術の時期と言えます。昔はかなり進行するまで待ってから手術を受けた方がよいと言われていた時代もあったのですが、最近は逆に、進行し過ぎた白内障では手術が難しくなりますので、いたずらに手術を我慢するのはかえって良くありません。

手術はこの10年ぐらいの間にずいぶん進歩してきており、ほとんど痛みの無い局所麻酔を使用して比較的短時間で終わります。手術の進歩によって術後の安静時間も短くなり、いわゆる「日帰り手術」も可能になっています。しかしながら、眼球はとてもデリケートな組織で、眼科医は顕微鏡を使用して細心の注意を払いながら手術を行っています。決して「ものもらい」を切開するような簡単な手術ではありません。また、術後の目の安静は大切で、しばらくは手術した目を酷使せず、激しい労働や運動も避けねばなりません。

ですから、術後の安静が保てて通院が可能であることが「日帰り手術」の必要条件です。その事を十分に考えたうえで、入院にするか、日帰りにするか、ご自分の家庭状況にあった方法を主治医とよく相談して下さい。

(西部医師会員・魚谷 純)