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仕事と介護の両立支援 ~介護離職を防ぐために~
《2025年問題とは?》
団塊世代が全て後期高齢者となり少子高齢化社会が進むことで起こる様々な問題です。その一つとして、労働生産人口の減少、人手不足が一層懸念される中、仕事と介護の両立は社会においても個人においても必要性が高まっています。
・要介護認定率: 65~74歳…4.2% 75歳以上…29.4%(約7倍)
・要介護・要支援者数: 2017年度…642万人(65歳以上の6人に1人)
2030年度推計…860万人(65歳以上の4人に1人)
・就業者に占める50歳代の割合: 22.6%(2017年)→28.2%(2030年推計)
(厚労省介護保険事業状況報告より)
上記のデータが示すように、介護は職員誰もが直面する課題になります。
親が75歳を過ぎると要支援・要介護となる比率が高くなりはじめます。働く人は40歳台後半から介護の課題に直面する人が出現し、50歳から定年までのキャリアは、仕事と介護の両立の時期となります。
家族の介護を理由とする離職者は、50歳~64歳が多く(※①)、離職の理由は勤務先の両立支援制度の問題や介護休業等を取得しづらい雰囲気等があったという「勤務先の問題」(※②)が43.4%を占めます。※出典:①総務省就業構造基本調査、 ②厚労省委託事業三菱UFJリサーチ&コンサルティング「仕事と介護の両立等に関する実態把握のための調査」
《仕事と介護の両立が難しい要因》
介護は経験したことがない人がほとんどです。ある日突然に来るので混乱してしまいます。また、これからどうなるかの将来予測が困難です。子育てでは時間が経過すると子供は大きくなり負担が少なくなりますが、介護は時間経過とともに負担が増えるのが通常です。また、育児休業はある程度浸透したので職場の理解も得やすいのですが、介護で休むことはまだまだ一般的になっていません。
《「育児・介護休業法」の改正 令和7年4月施行》
介護に関する制度の認知や理解が進まず、支援策を知らずに離職に至るケースが多いのが現状です。これを受け、政府は介護離職防止のための措置を講ずることを事業主の義務とする法改正を行いました。
(改正の具体的な内容)
・介護に直面した旨の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置(面談実施や書面交付による)
・介護に直面する前の早い段階(40歳等)での両立支援制度等に関する情報提供
・仕事と介護の両立支援制度を利用しやすい雇用環境の整備(研修、相談窓口の設置等)
・要介護状態の対象家族を介護する労働者がテレワークを選択できるよう事業主に努力義務
・介護休暇について、引き続き雇用された期間が6ヶ月未満の労働者を労使協定に基づき除外する仕組みを廃止
(今回の担当:医療労務管理アドバイザー 安酸早苗 社会保険労務士)