健康なんでも相談室

片側の手の爪の凹凸

回答者:  鳥取大学医学部 山田七子

質問

80歳代女性。5,6年前から左手の指の爪に凹凸ができました。始めは4本で、親指の爪はどうもなかったのですが、この頃では親指も同じようになりました。「爪の水虫」と言う人もいましたが、単に爪だけなのか、それとも内蔵疾患も爪に表れるのか、年齢によるものなのかわかりません。このような爪について教えて下さい。

回答

皮膚科を受診し必要な検査を

爪の異常には表面のざらつき、横溝、縦溝、肥厚、へこみ等、様々なものがあります。内臓の病気や体調の変化を反映する場合もあれば、局所的な要因による場合もあります。全身性の原因による場合は手と足すべての爪が一様に変化をみせるのが一般的です。加齢による変化の代表的なものに、爪表面の縦方向の溝や隆起(凹凸)があります。

手や足の一部の爪に症状が限局する時には、感染症や慢性の外的刺激、化学物質の接触、症状によっては腫瘍など局所の原因を考えます。爪の感染症で最も頻度が高いのは皮膚糸状菌(ひふしじょうきん:水虫の原因菌)による「爪白癬(つめはくせん)」です。感染症の診断には、顕微鏡検査や培養検査による菌の確認が必要です。爪の疾患の多様性を理解し、検査に熟練した皮膚科医の診察をうけられることをおすすめ致します。