健康なんでも相談室

足首の冷え

回答者:  鳥取県東部医師会員 重政千秋

質問

60歳代女性。五年位前から右足首が冷え、真夏でも靴下2枚、レッグウォーマー、その上カイロを使わないと我慢できない冷えで、最近は左足も冷えを感じます。くるぶしを中心に20センチ位が冷え、以前からレイノー病といわれています。よろしくご指導願います。

回答

専門医で脈波検査を

原因不明の下肢の冷感でお苦しみのご様子よく伝わってまいりました。最後の「レイノー病」にヒントがあるように思います。レイノー現象とは、四肢先端の最小動脈が発作的あるいは周期的に収縮し、指趾の色調が間欠的に変化する現象をいいます。寒冷やストレスによって血管が攣縮し、蒼白、チアノーゼ、次いで紅潮がみられ、その後、元の色調に戻り、冷感のみならず、しびれやうずくような痛みを伴います。レイノー現象を有する六割の方は、何らかの基礎疾患を持っており、基礎疾患のない場合を一次性(レイノー病)といいます。基礎疾患の約四割を強皮症などの膠原病が占めます。どんな膠原病かは膠原病専門医が診れば診断は容易です。レイノー現象は手指に起こることが多いのですが、下肢(足趾)に起っても不思議ではありません。その場合、膠原病では血管炎症候群、さらに閉塞性動脈硬化症が原因として考えられます。動脈硬化症では、左右差があり得ます。各種の脈波検査でその病態を知ることができます。一度、膠原病や血管外科専門の医師に相談されたらいかがでしょうか。