健康なんでも相談室

股関節の痛み

回答者:  鳥取県東部医師会員 岸本勇二

 

 

質問

 40代女性。赤ちゃんの頃に臼蓋形成不全と診断され、小3まで通院しました。30代になってから股関節が痛むようになり、変形性股関節症と診断されました。その後、痛みはおさまりましたが、仕事が立ち仕事のためか、最近、右股関節に痛みが出てきました。座っているときにも痛み、歩くとコキコキと音がする感じで早歩きできず、長時間歩いた日は寝ていても痛だるいです。変形性股関節症が悪化してきているのでしょうか?

 

 

 

 

回答 

 変形性股関節症が悪化

 

 ご質問を拝見しましたところ、臼蓋形成不全を原因とした変形性股関節症と思われます。股関節は骨盤と大腿骨のつなぎ目であり、骨盤にある臼蓋というお椀のような形をしたくぼみに、大腿骨がはまり込むつくりになっています。

この臼蓋のくぼみが浅い股関節が臼蓋形成不全と呼ばれ、股関節が傷みやすいため、年齢を重ねるにつれ、股関節痛が出現します。この状態が変形性股関節症で、年齢とともに徐々に進行しますので、質問者様の現状は股関節症が悪化してきたものと思われます。変形性股関節症に対しては、日常生活で股関節の負担を避け、股関節周囲の筋力を強くし、痛み止めの薬を処方するなどの治療がまず行われますが、痛みが十分に取れない場合、骨切り術や人工関節置換術などの手術が必要になる場合があります。まずは整形外科を受診することをお奨めします。