37歳女性。2度、痔の手術を受けた後から便が細くなり、排便のたびに切れて痛みます。軟こうを塗っても治りません。どうしたらよいでしょうか。
回答
肛門は形も大切
2度、痔の手術をしたのにまた痛くなった。そんな患者さんは意外に少なくありません。長年切れ痔を繰り返すと、傷が硬くなり、肛門がだんだん狭くなってしまうことがあります。すると便が通りにくくなり、さらに切れる。そんな悪循環になります。
同じような症状の患者さんも、診察では小指しか入らないほど狭く、通常の肛門鏡は使用できませんでした。細い内視鏡で潰瘍などの病変がないことを確認し、側方内肛門括約筋切開術を行いました。これは緊張し過ぎた筋肉を部分的に緩め、過剰な締まりを改善する手術です。
今回は1カ所だけ筋肉切開を施行しました。肛門側方で肛門縁から約2cm離れた約8cmの皮膚切開を加え、この穴に鎌状の刃が先端についた歯垢掃除用のスケーラーを挿入。筋肉をひっかけて外に出し、電気メスで確実に切開しました。
術後は排便時の痛みが軽減し、便通も改善しました。特徴的だったのは、術前は縦長に変形していた肛門が自然な丸い形に近づいたことです。痔の治療は単に取るだけではありません。痛みなく自然に排便できる機能を守ることが大切です。長く治らない切れ痔や痔疾は、我慢せず専門医に相談してください。