60才男性です。健康診断を受け、「甲状腺の右側が少し大きい。気になるならかかりつけ医の先生に相談してください。しばらく様子を見てもいいですよ」と言われました。かかりつけ医を受診したところ「確かに右側が少し大きいが判断できないから、総合病院でエコー検査を受けてください」と言われました。最悪の場合は甲状腺がんだと思いますが、客観的にどのような状況だと思われますか。ものが飲み込みにくいなどの症状はありません。甲状腺がんは予後が良いと言われますが、一部予後が悪い性質のがんもあるとのことで、そのあたりも教えていただきたいです。
回答
まずはエコー検査を
触診で見つかった甲状腺のしこりのうち、がんと診断される確率は11~14%と言われています。甲状腺がんは無症状の方が多く、首の違和感やつかえ感などの症状はまれです。
甲状腺がんのうち、90%以上が乳頭がんです。その多くは予後が良く、1cm以下で転移がない超低リスクがんは、手術をせずに経過観察されるケースもあります。
一方、がんが4cm以上ある、甲状腺の外にがんが広がっている、3cm以上のリンパ節転移があるなどの場合は、がんによる死亡率が18~46%、20年生存率も60%程度との報告があり、乳頭がんでも予後不良です。
エコー検査で必要と判断された場合は、甲状腺に針を刺して細胞を採取する「穿刺吸引細胞診」を勧められます。まずはエコー検査を実施しているクリニックや病院で評価してもらうことが何より重要です。