70歳代男性。右足のももの付け根の所に、ピンポン玉くらいの腫れができました。先日、受診したところ脱腸と診断され、手術を勧められました。手術をした方がよいか悩んでおります。
外科医と相談し手術を
足の付け根の所(鼠径(そけい)部)にふくらみが認められるとのことで、おそらく鼠径ヘルニア、俗に脱腸といわれる病気だと思われます。
長い時間立ったままでいたり、お腹に力が入った時などに、足の付け根の所が腫れてきます。長く患った鼠径ヘルニアは、時に腫れたままとなったり、次第に大きくなったりします。
鼠径ヘルニアができる原因は、鼠径部はちょうどお腹の筋肉や筋膜が重なり合っている部分で、支える力が弱いすきまがあります。このすきまが広がって穴になり、腹膜が袋状に飛び出してヘルニアとなります。組織そのものが弱くなってすきまがひろがってできるわけですので、薬や筋肉を鍛えるトレーニングなどでは治りません。
鼠径ヘルニアを治すには、手術でヘルニアの穴を塞いでやる方法しかありません。手術の方法には、鼠径部の隙間を縫い縮める方法やメッシュといった人工補強材などですきまを補強する方法などがあります。
最近では、腹腔鏡での手術も行われております。いずれの手術法にも長所と欠点がありますので、外科医とよく相談をして決めて下さい。