健康なんでも相談室

耳管開放症

回答者:  鳥取県西部医師会員 辻田哲朗

質問

 78歳女性です。7年前突然他人の声や自分の声がこもって聞き取れなくなり、診察を受けたところ、鼻から耳につながっている管が開きっぱなしになっているからで、原因はストレスによりもので自然に治るのを待つしかないと言われましが、症状は変わりません。病名は何なのか、治療法はないのでしょうか?

 

 

回答

 軽度なら漢方薬も

 

 話をお聞きしますと、耳管開放症という病名だと思われます。耳と鼻は「耳管」という筋肉からなる管でつながっていて、これによって耳の中の気圧の調節をしています。

 

 この「耳管」は普段は閉じていて気圧の調節が必要な時にだけ開き、速やかに閉じるようになっています。その「耳管」が開いたままの状態になることです。

 

 原因は様々ありますが、急激な体重減少、ホルモンバランスの乱れ、脱水症状、血行不良などがあります。確かに自然に治る場合もありますが、なかなか難しく長びくことが多いです。

 

 治療としては、軽い場合には加味帰脾湯という漢方薬が効くことがあります。他にも「耳管」の鼻への出口から薬を「耳管」の中に注入することもありますが、いずれにしても決定的な治療ではないようです。あきらめずにもう一度耳鼻科を受診されてみてはいかがでしょうか?