健康なんでも相談室

ピロリ菌にご用心、細菌を駆除しよう

回答者:  鳥取県西部医師会員 米川正夫

質問

  若い頃から胃腸が弱く、食べ過ぎたりすると胃もたれがしたり、胃が痛くなったりします。最近職場の健康診断で、ピロリ菌陽性と言われたのですが?

 

 

回答

 ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は胃の中に住み着いている細菌です。50代以上の日本人の約8割の人が感染していると言われてます。幼少期に感染すると、そのまま感染が続きますが、成人になってからは感染しにくいと言われています。
本来胃の中は胃酸があるため通常の細菌は死んでしまいますが、ピロリ菌は特殊な酵素によりアンモニアを作り出し胃の中で生きていくことができます。このアンモニアや毒素が胃炎を起こし、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こします。さらに胃がん発生の引き金になっていることもわかって来ました。


 ピロリ菌を除菌すると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発が低くなることや胃がんの発生が少なくなることが知られています。今年の2月から、あらたにピロリ菌に感染している萎縮性胃炎にも適応が広げられました。内視鏡検査により胃粘膜の萎縮があり、ピロリ菌に感染している場合は保険で除菌治療を受けられます。ピロリ菌に感染しているかどうかの検査には、いろいろな方法があります。一つの検査だけでは感染していても、陰性になる場合があります。必ず、複数の検査を組み合わせて判定する必要があります。


 まず、かかりつけの先生に相談してください。