健康なんでも相談室

胃がんを防ぎたい

回答者:  鳥取県中部医師会員 西田法孝

質問

  40歳代、女性。日頃胃のあたりがもたれ、私はがん家系ゆえ不安です。こんど除菌での胃がん防止を健康保険で認められたとのこと、要点を教えて下さい。

 

 

回答

 ピロリ菌の除菌を

 

 酸のつよい胃の中に、まさか細菌がいたとは。そのまさかがピロリ菌で、発見されて30年になります。これが胃炎、胃十二指腸潰瘍、胃がんの原因です。最近の研究では5歳以下の子供の時に感染するのが多く、可愛いゆえの家族の口から口への感染のためです。ピロリ菌は60歳以上では70~80%胃にいます。しかし除菌で潰瘍はどんどん減りました。除菌を20歳代に行えば、ほぼ100%抑制できますが、高齢になると50%以下です。でも除菌で胃がんが50%減れば、入院、手術に要するかなりの医療費が不要になります。最近の提案では、もし中学卒業前後にピロリ菌検査を義務付け、陽性者を除菌すればほぼ100%胃がんに罹らず済むのです。ただ高齢者では除菌で「0」になる報告はなく、除菌してもあとの検査が必要です。
 

 胃内視鏡検査―ピロリ菌検査―除菌(服薬1週間)―判定。ときに二次除菌。いまや胃がんは治療より予防する時代なのです。