60歳代男性。数ヶ月前より百メートルほど歩くと、ふくらはぎが痛くなり歩けなくなります。休憩すると痛みがなくなり、また歩けるようになります。最近では五十メートルほど歩くと痛くなり、駅の階段を上るのがつらくなってきました。
循環器科、血管外科の受診を
このような症状を間欠性跛行といい、下肢閉塞性動脈硬化症を疑います。動脈硬化によって血管の内腔が狭くなったり、詰まったりすることによって十分な血液が下肢の筋肉に送れなくなり、このような症状をおこします。放置しておくと動脈硬化が進行して、安静時も足が痛くなり、ひどいときは足の潰瘍や壊死をおこすこともあります。専門の科である循環器科、血管外科への受診をすすめます。症状が似た病気に、腰部脊柱管狭窄症という病気もあります。
喫煙、高脂血症、糖尿病、高血圧症などの生活習慣病を合併していることが多いので、まずその治療を受けましょう。また脳や心臓などの血管も、同様に動脈硬化がすすんでいることがあるので全身の詳しい検査が必要となることもあります。治療は飲み薬やバイパス手術などの外科治療、あるいは血管内治療が行われます。狭くなったり詰まっている血管の位置や程度によって、治療法が決定されますので循環器科、血管外科の先生とよく相談してください。