健康なんでも相談室

脳ドックの虚血性変化

回答者:  鳥取県東部医師会員 太田 規世司

質問

  65歳の女性。脳ドックを受けたところ、軽度の虚血性変化があり、要観察とのこと(ただし即治療が必要ではない)。そのためか親しい人の名前がフッと出てこなくなったり等々があり、年相応なのか、今後何を気をつければいいのか不安です

 

 

回答

 高血圧などの危険因子の充分な管理を

 

 脳ドックでの虚血性変化とは、おそらく大脳白質病変のことではないかと思われます。これは脳のMRI画像において、T2強調画像やプロトン密度強調画像で大脳白質に高信号(白い影)を呈するもので、脳ドック受診者の数十パーセントに見られることもあります。さまざまな程度がありますが、加齢変化的な側面もあり、軽度であればあまり気になさらなくても良いかと考えます。程度の強いものは脳卒中や認知機能低下の危険因子になり、注意が必要です。

 

 また加齢以外に高血圧、糖尿病などが大脳白質病変を生じやすい危険因子として知られており、特に高血圧をお持ちでしたらしっかりと管理・治療されることをお勧めします。物忘れが気になり認知症などが心配な場合には、現在行われている脳ドックの内容では充分な診断はできません。その際にはかかりつけ医などに相談して、認知症の診療を行っている神経内科や精神科の外来を受診してみられることをお勧めします。 

 

 尚、日本脳ドック学会のホームページで「脳ドックのガイドライン2008」を見ることができますので、よろしければ参考にしてください。