健康なんでも相談室

「ALS」「パーキンソン病」

回答者:  鳥取県西部医師会員 松田 潔

 

質問

 

 テレビである女性が難病と言われる「ALS〈筋委縮性側索硬化症〉」に冒されている事実を知りました。「ALS〈筋委縮性側索硬化症〉」という病気は初めて耳にした病名です。私はパーキンソン病で現在投薬とリハビリに努めています。2つの病気何となく症状は似ているように思われますが2つの病気の相違点はどこでしょうか。又この2つの病気は今のところ完治は無く、病気の進行を遅らせるのが主たる目的なのでしょうか。

 

 

 

回答

 体が動かなくなる神経難病

 

 「ALS〈筋委縮性側索硬化症〉」もパーキンソン病も体が動かなくなる神経の進行性疾患ですが、同じ病気ではありません。ALSは筋肉を動かす運動神経の病気であり力が入らなくなっていきます、パーキンソン病は体の動きを滑らかになるよう調節する神経の病気であり、手足が震え体が硬くなっていきます。ALSはまだ治療法は研究中ですが、パーキンソン病に対しては病気の進行に伴って脳内に足りなくなった物質を薬として使用することにより症状を軽くできることが知られており治療に利用されています。しかしながら、どちらも病気の根本的な原因・治療は確立されていないため難病に指定されています。