健康なんでも相談室

扁平足にともなう足裏の痛み

回答者:  鳥取県東部医師会会員 鱸 俊朗

質問

 70歳女性。ウォーキング歴10年。扁平足。今年7月頃から、夜中にトイレに行くときや、朝起きて歩こうとすると左足裏が痛く床に足がつけないが、しばらく歩いていると緩和する。過去にウォーキングで足首周りの痛みもあり。足裏・足首の痛みは何が原因か?



回答

 土踏まずのアーチの崩れ・足底筋膜炎

 

 足のアーチとは土踏まずの部位をいいますが、それを支えるために踵から足裏の前方に繋がる分厚い線維性の組織を足底筋膜と呼びます。歩いたり走ったりするときの足にかかる衝撃を吸収、バランス保持、安定性獲得に大事な役割を果たしています。加齢に伴い筋力が低下し、腰の痛みや膝の変形などで姿勢が変化したりすると、バランスを調整するために足底筋膜へのストレスが増します。それに加え、もともと扁平足(アーチの崩れ)のある人、ウォーキング、ジョギング、畑仕事などで、継続的に過度の刺激が加わると小さな傷ができ、線維も変性して硬くなり炎症がおこります。その結果、足裏特に踵の前内側に歩き始めの痛みとして現れます。これが足底筋膜炎です。また、アーチが崩れる(下がる)ことで足の形が変わり、ウォーキング(スポーツ)などでは足首、膝、腰の痛み、肩こりなど足裏以外のところに、痛みが広がることがあり、早い段階からの対応が必要です。まずは、あなたの足に合った靴選び、アーチの機能の復元のためのインソール、足底筋含む下肢の筋力増強などをお勧めします。足裏の痛みの原因にはアーチの崩れが原因と考えられる多くの疾患があり、足以外でも、腰の問題(姿勢変化、腰部脊柱菅狭窄症)糖尿病、痛風などが隠れている場合があり、ご心配の場合は整形外科専門医のいる医療機関にご相談してください。