健康なんでも相談室

肺に淡いすりガラス影

回答者:  鳥取県西部医師会会員 橋本 潔

 

質問

 30代、女性です。先日、人間ドックを受け、肺CTで淡いすりガラスの影?があるとありました。結果は、悪性のものかどうか判別するために一年後再検ということでした。 そこで気になったのが、2年ほど前に胸が痛くなり、病院にかかったところ、肺のX線ですりガラスの影があるとのことで、マイコプラズマと診断されました。翌年も調子を崩してかかったところ、X線ですりガラスの影があるとのことで、同じ診断をされました。 それ以来指摘されていませんでしたが、久しぶりに同じような指摘をされ、一年後まで様子をみていいものか不安になり、こちらにご相談させていただきました。 また、他にも悪い可能性も考えられるのでしょうか?

教えていただけると幸いです。よろしくお願いします。



回答

 高分化型肺腺癌の可能性に注意

 

 同じ悩みを抱えている読者の方も多いことと思います。肺CTで淡いすりガラス様の影を呈する病気は、良性の病気から肺がんまで多岐にわたります。現在症状が無いのであれば、感染症や他の良性疾患の可能性よりも高分化型肺腺癌の可能性に特に注意しましょう。高分化型肺腺癌は、ゆっくり進展するタイプの肺がんですが、進行の速さには個人差があり、注意を要します。肺のすりガラス影に対して、どのタイミングでCTを再検し、どのタイミングで精密検査(肺の組織検査)を行うかについては、データを集積しながら改訂を繰り返している日本CT検診学会のガイドラインなどを考慮して決める必要があります。すりガラス影のサイズや、影の内部にどの程度の充実性部分(濃く写る部分)を伴うかなどにより対処法が異なります。あなたの肺の影の特徴やこれまでの経緯を勘案した再検計画が望まれます。1年待つのが不安であれば、再検時期を早めるという選択肢はないか一度担当医に尋ねてみられるとよいでしょう。それが難しい場合は、呼吸器専門医のいる医療機関(日本呼吸器学会のホームページにリストがあります)にご相談ください。