39歳男性。数年前から、2週間に1回ほど頭痛があります。症状は、目の奥が痛くなり、強い頭痛、吐き気を伴います。目の前にダイヤモンドのようなキラキラした光が見えることがあります。だんだん症状が強くなっています。症状は3時間持続し、入浴や睡眠で改善します。高血圧はありません。重大な病気ではないかと心配です。何科を受診したらいいでしょうか。
前兆のある片頭痛
ご質問の内容を読ませていただいたところ国際的な頭痛の診断基準で言うところの「前兆のある片頭痛」によく似た症状であろうと思われました。片頭痛は慢性的に頭痛を繰り返す病気の中では比較的頻度が高い病気です。片頭痛の約1/4から1/3では前兆が認められ、その多くは視覚性前兆です。視覚性前兆では視野が歪んで見えたり、キラキラした光が見えたりします。その後に生活に支障をきたすような強い頭痛が一定時間続くことが特徴です。視覚性前兆は皮質性拡延性抑制と呼ばれる大脳皮質の血流低下がゆっくり広がっていくために生じるとされています。なぜ前兆がある人とない人に分かれるのかはよくわかっていません。基本的に生命に危険を及ぼす頭痛とは異なりますので、まずはかかりつけ医と相談して治療を受けていただくのが良いと思います。頭痛症にはまれに脳腫瘍などの脳の病気やてんかん、内分泌疾患、緑内障などが隠れている場合があります。ご心配の場合には神経内科あるいは頭痛専門医のいる医療機関（日本頭痛学会のホームページにリストがあります）にご相談ください。