健康なんでも相談室

症状によりペースメーカー

回答者:  鳥取県西部医師会員 面谷博紀

質問

 脈は遅め(1分間に50回程度)の自覚症状のない60歳台女性。心電図検査で心臓が正常な状態で動いておらず、将来的に人工ペースメーカーが必要になるといわれました。薬もあるようにいわれましたが、どうしたらよいのでしょうか?

 

 

回答

 洞機能不全症候群の種類と治療

 

 ご質問の内容から、“洞機能不全症候群”と診断されたのではと推測します。心臓には、洞結節という、電気を発生させるいわば発電所があり、この洞結節や心房の老化現象により電気を作りにくくなることが主な原因と考えられています。 洞機能不全症候群には、常に脈拍数が40~50回以下/分に減少している洞性徐脈、洞結節からの電気信号が一時的に停止または心房に伝わらないことによって起こる洞停止や洞房ブロック、心房細動などの頻脈性不整脈が一過性に生じて、それが停止した直後に一時的に心臓が止まった状態になる徐脈頻脈症候群の3種類があります。数秒以上心臓が止まるとめまい感を自覚し、10秒以上停止すると失神をきたします。 無症状であれば原則的には治療の必要はありませんが、長い一過性の心停止、それに伴うめまい症状や失神発作が確認されればペースメーカー治療を考慮することとなります。洞結節の自発的興奮を増やすことを目的として薬物治療を行うことがありますが、他の不整脈を生じやすくするといった副作用もあり、安定した治療効果が得られない可能性があります。 不整脈診断名、その重症度を改めて確認していただいた上で、治療方針について主治医によくご相談ください。