健康ア・ラ・カルト

【3)心臓と血管】  7)家庭用血圧計

質問

血圧が気になる年齢となり、家庭用血圧計を買おうかと思っていますが、測定結果は信頼できるでしょうか。また、上手な使い方や選び方を教えてください。

回答

◎家庭で使う時の注意点

家庭血圧計は普及しており、3、4家庭に1台あるという時代です。しかし必ずしも上手に使われていません。そこで家庭血圧計の上手な使い方を考えてみたいと思います。

まず、測定器具の条件ですが、
(1)手首や指で測定するものよりも、上腕で測定するものの方がよい。
(2)圧を感知するものより振動を感知するものがよい。
(3)家庭血圧計は収縮期血圧(最大血圧)に関しては精度がよいが、拡張期血圧(最小血圧)の精度は良くない。
(4)家庭血圧計は、定期的な精度の管理が必要である。(血圧の値が以前と著しく違ったときには、血圧計が故障していることがあるので、医師に相談する)

血圧を測定するとき、測定環境を整えることは大切なことです。
(1)自分の体調の良いときに測定する。
(2)5分以上の安静の後、座位で測定する。
(3)測定の場所は、静かで、室温は10-30度がよい。

いつ測定するのかという点ですが、何時に測定するかではなく、生活のリズムの中のどこで測定するのかが大事です。1番推奨できるポイントは、これから寝ようとするときです。ただし極端に疲れたとき、風呂上がり直後、飲酒後などはさけてください。2番目は、朝目覚めてから1時間以内です。ただし寝不足などの時はさけます。降圧剤を飲んでいる人は、薬を飲んで2-3時間後を加えるとよいでしょう。頻度は、週に1回程度でよいですが、必ず記録しておくようにしてください。

最後に、家庭血圧の判定ですが、一般に、家庭血圧は、外来血圧より5~15mmHgくらい低いことが多いと言われています。しかし家庭血圧の正常値は、決められていないので、あくまで参考値であると考えてください。そして安易に自己診断しないでください。寝る前の血圧が、いつも130mmHgを超えるときや、朝起きて1時間以内の血圧がいつも140mmHgを超えるときは、一度医師を受診されるのがよいと思います。

(日南病院副院長・高見 徹)