Joy!しろうさぎ通信『院内保育園のありがたさ』

大山町 小谷医院 阪本綾子

 「保育園落ちた日本死ね!!!」の書き込みが有名になったのは2016年のことだそうです。出産
後復職するにあたって、子どもを保育園に預けることは避けて通れません。就活、婚活、終活など色
々な活動がある中、保育園探しは「保活」と略されているようです。私も「保活」に難航した一人で
した。
 当時は米子市に住んでおり、翌年度から復職しようと思うと秋頃に書類申請だったかと記憶してい
ます。春から夏にかけて、保育園に電話で問い合わせをしたり、実際に見学に行ったりしました。子
どもが車いすを使用していたので、ハード面で事前に断られることもありました。保育園は希望者の
中から入所選考(点数制)で決まるそうで、2月までどの保育園に受かるかどうか確証が得られませ
ん。希望の保育園を当時は10個くらい希望順に記入して(随分前のことなので記憶が不確かですが)、
どの保育園になるかわからない、家や職場から遠い保育園になるかも、兄弟が同じ保育園に入れない
こともある…。果たして本当に自分が復職できるのか、子どもを抱えて仕事も生活も回るのか、不安
しかありませんでした。そんな時、子どもの療育で通っていた鳥取県立総合療育センターの先生から
声をかけていただきました。院内保育園もあるよ!慣らし保育もあるよ!と、とても魅力的でした。
そんなわけで、母子ともどもお世話になることになり、院内保育園ライフが始まりました。院内保育
園だと、自分の通勤先と子どもの登園先が一緒なのです。ただでさえ乳幼児の登園準備は時間がかか
るので、朝の交通量の多い時間に子どもと一緒に通勤&登園できたのはありがたかったです。保育活
動も色々な工夫をしていただき、我が子は今でも「ぴょんぴょん(院内保育園)楽しかった♪」と言
います。子どもながらに、院内保育園での楽しい思い出がたくさんあるようです。「○○ちゃん、は
じめは怖がっていたこの遊具、上手に遊べるようになりましたよ~!」と手取り足取り優しく褒めな
がら、日々近くの公園で保育してくださった先生方のおかげで、我が子は健やかに育ちました。院内
保育園から親子ともども社会復帰の道筋ができました。本当にお世話になり、ありがとうございまし
た。今回は主に院内保育園について書かせていただきましたが、整形外科医局やリハビリテーション
科医局の先生方はじめ、長い間お世話になった鳥取県立療育センターの先生方、スタッフの皆様、家
族、親戚…、感謝してもしきれません。全くおすすめできない無計画な私の人生ですが、もし後輩の
女性医師の先生にご参考にしていただけるならば、院内保育園という選択もあるとお伝えしたいです。
個人的な体験談ですが、私は院内保育園のおかげで、なんとか仕事を続けることができました。最近
では院内保育だけではなく病児保育の充実など、徐々に育児と仕事を両立しやすい環境になってきて
いると感じます。しかし自分自身は医師としても母としても中途半端で自己嫌悪の日々なのは否めま
せん。それでも「先生、ずっとやめんでな」と言ってくださる外来患者さんもおられるし、なんとか
今後も諦めずに働いていこうと思います。今後とも御指導御鞭撻の程、何卒宜しくお願い申し上げま
す。