Joy!しろうさぎ通信『第2回平成25年度「2020.30」推進懇話会』
鳥取県中部医師会理事 福 嶋 寛 子
今回、平成25年度『2020.30』推進懇話会に参加しましたので、報告させて頂きます。 日本医師会では、第3次男女共同参画基本計の閣議決定(平成22年12月)を受け、本会役員や委員会委員への女性医師の積極的登用を図るなど、女性医師が指導的立場、意志決定機関へ参画するため、一定の目標を定めています。 『2020.30』(ニイマルニイマルサンマル)推進懇話会は、その目標達成のための具体的な施策として、女性医師に「本会の組織・運営・活動に関わる理解を深め、将来、本会の活動に参加する」ことを目標として平成23年度より開催されています。 本年度まで平成23年度1回、平成24年度2回が開催されています。
第1回平成25年度『2020.30』推進懇話会
【対象】 これまで参加したことのない医師 54名参加(都道府県医師会に対し、女性医師支援や男女共同参画の分野には携わっていない医師も含める。会員・非会員を問わない。)
【議事】
①日本医師会の組織と事業内容
日本医師会の会員数(平成25年11月30日)は166,073人(うち女性会員25,093人)、開業医84,043人(うち女性会員8,465人)、勤務医他82,030人(う ち女性会員16,628人)です。 代議委員定数(平成25年1月)は351人(うち女性役員6人)。 日本医師会の役員については、会長1名、副会長3名、常任理事10名、理事13名、監事3名となります。なお、会長、副会長、常任理事は常勤役 員となります。 日本医師会および都道府県医師会役員に占める女性の割合(表1)、会内委員会の計53委員会における女性委員の占める割合(表2)は以下とな り、会内委員会における女性医師の割合が積極的改善措置をうけて増加してきたとのことです。
表1.日本医師会および都道府県医師会役員に占める女性の割合
|
H14・15年度 |
H16・17年度 |
H18・19年度 |
H20・21年度 |
H22・23年度 |
H24・25年度 |
日本医師会 常任理事 |
2人 (20.0%) |
0人 (0.0%) |
0人 (0.0%) |
0人 (0.0%) |
1人 (10.0%) |
1人 (10.0%) |
日本医師会 理事・監事 |
0人 (0.0%) |
0人 (0.0%) |
0人 (0.0%) |
0人 (0.0%) |
0人 (0.0%) |
0人 (0.0%) |
日本医師会 代議員 |
1人 (0.2%) |
2人 (0.6%) |
5人 (1.4%) |
4人 (1.1%) |
8人 (2.2%) |
6人 (1.7%) |
都道府県医師会女性役員 |
19人 (1.8%) |
22人 (2.0%) |
35人 (3.2%) |
49人 (4.5%) |
51人 (4.6%) |
55人 (5.3%) |
表2会内委員会における女性委員の占める割合
|
会内委員会数 |
女性医師が在籍する委員会数 |
全委員数 |
女性医師委員数 |
H16/17年度 |
42 |
14(33.3%) |
554 |
27(4.9%) |
H18/19年度 |
48 |
17(35.4%) |
671 |
40(6.0%) |
H20/21年度 |
50 |
28(56.0%) |
688 |
53(7.7%) |
H22/23年度 |
55 |
29(52.7%) |
725 |
67(9.2%) |
H24/25年度* |
50 |
28(56.0%) |
683 |
65(9.5%) |
*H24.8.29現在
②日本医師会の運営の実際
理事会の出席者は、会長、副会長、理事(常任理事を含む)、監事、代議員会議長・副議長で、開催頻度は月1回。 常任理事会の出席者は会長、副会長、常任理事で、開催頻度は月3回。 会内委員会は計53委員会あり、会内の意思決定プロセスで、主担当役員、事務局との会議、業務、担当役員間の打合せを行います。開催は年4 回から6回。 その他の主な会議としては、都道府県医師会長協議会、担当理事連絡協議会、各ブロックの医師会連合総会等があります。 常勤役員の業務は、月曜から金曜が日本医師会内での執務、土・日曜は業務により出張などあります。
③当懇話会について
『「2020年30%」の目標実現に向けて日本医師会は積極的改善措置(ポジティブ・アクション)に取り組んできた。当懇親会の趣旨は、平成22年 12月、第3次男女共同参画基本計画が閣議決定され、この中で「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるように期待する」 という目標が改めて明記されるとともに、各分野の女性の積極的登用についての成果目標が掲げられたところである。日本医師会においても、以下 の通り、成果目標を掲げて積極的改善措置(ポジティブ・アクション)に関する取り組みを進めていく。』という趣旨でした。 成果目標『女性一割運動』
理事・監事にはまだ女性の登用はされていません。
質疑応答では、当懇話会は勤務医、開業医、役職を問わず日本医師会に興味を持ってもらいたい趣旨で行われている。実際に役員になるためには 都道府県医師会より立候補、推薦を募るため、都道府県医師会、郡市区医師会への参加意識を、とのことでした。
第2回平成25年度『2020.30』推進懇話会
【対象】 これまで参加したすべての医師対象 103名参加
【議事】
日本医師会、会内委員会における最近の状況、日本医師会と各省庁との実際の業務内容、今後の予定と課題について講演されました。
①医療保険の諸問題について
診療報酬改定の役割分担について、改定率は内閣(予算編成過程において決定される)、診療報酬改定の基本方針は社会保障審議会(医療保険部 会・医療部会)、個々の診療報酬改定項目は中医協総会が行う、など実際の業務状況の講演でした。
②医療事故調査制度について
医療事故調査制度に関するこれまでの状況、日本医師会医療事故調査に関する検討委員会報告書について、これまでの医療事故への対応の流れと 医療安全対策、医療改正法のイメージ、医療事故調査制度の今後の課題についての講演でした。
③予防接種の定期接種化に向けて
希望するすべてのひとに予防接種を。予防接種法で7ワクチン(HPV、Hib、小児用肺炎球菌、及び、水痘、おたふくかぜ、B型肝炎、成人用肺 炎球菌)すべての定期接種化を、国の責任で財源確保を、ということを日本医師会の予防接種推進専門協議会で進めている、という最新の情報でし た。
質疑応答では、会内委員会の女性委員の割合がようやく10%に達成し、次年度15%を目標にしたい、とのことでした。
今回、日本医師会における医療社会の最前線、実際の活動内容、今後の展望に触れることができ、また日本医師会、都道府県医師会と郡市区医 師会の意義についても再認識することができました。大変に貴重な経験をさせて頂き感謝を申し上げます。当懇話会は、次年度以降も開催の予定で あるとのことです。女性医師の先生方の今後のさらなる参加をお願い申し上げます。