Joy!しろうさぎ通信『私の楽しみ』

鳥取市 かわぐちクリニック  川口 亜佐子

 私は卒後鳥取大学の眼科に入局し、2年目で夫と結婚、3年目で第1子を出産し、現在は3人の子供が
います。第1子出産後は2ヶ月、第2子は5ヶ月(この時は大学院)、第3子は3ヶ月で全てフルタイム
復帰しました。長く休んでスキルアップする機会を遅らせたくないという気持ちと、長く休んで迷惑をか
けられないという気持ちがありました。子供は保育園、病児保育、ファミリーサポートセンターにお世話
になりながら育てました。子供が急に病気になり病児保育に預ける時間もないときは、車で2時間の距離
の実家の両親に数日預かってもらったり、夫が朝4時に自宅を出発し往復4時間かけて実家に子供を預け
て仕事に間に合うよう、とんぼ帰りで戻ってきたり、夫が不在の夜中のオンコールに、寝ている保育園児
の子供達を起こして連れて行って対応したことも何度もありました。精神的にも肉体的にも余裕がなかっ
たために当時の子育てに関して多少の罪悪感もあったのですが、今になって聞いてみると意外と子供達は
特に思うところもなく楽しんで生活してくれ、仕事を頑張っている母としての姿を少し誇らしく思ってく
れていたそうなので嬉しく思っています。
 なんとか仕事を続けてこられた間の様々な経験が、現在の糧になり自信に繋がっていると思いますし、
タフでも器用でもない私が継続して仕事を続けてこられたのは、私より忙しい中、惜しみなく協力してく
れた夫のおかげなのでとても感謝しています。
 さて、そんな私のストレス解消となってきたのが、年1回の夏期休暇を利用した家族旅行です。1年間
の自分へのご褒美として、オンコールの電話が鳴ることも、休日の回診も、家事もない1週間の解放感を
満喫します。疲れが取れ、気持ちが一旦リセットされるので、仕事や日常生活の諸問題の視点を変えて取
り組むことができるようになります。近場の温泉から始まり、九州、沖縄、海外と年々少しずつ移動距離
を広げていきました。リラックス目的ですので基本的に王道のリゾート地しか選びません。前年の秋頃か
ら計画を立て始め、毎回その場所にいけるのは最初で最後かもしれないと思って、その地の観光地、ホテ
ル、食べてみたい名物料理を十分リサーチし、早ければ年末には飛行機やレストランの予約も済ませます。
この計画する時間もとても楽しくストレス解消になっています。子供達が小さい頃は旅行中いろいろなハ
プニングがありましたが、それも珍道中として良い思い出になっています。
 昨年はシンガポールに行きました。シンガポールのホテルといえばマリーナベイサンズ、最上階57階の
地上200mに位置する屋上プールが有名な巨大ホテルです。建国記念日にあたる日を事前にチェックして
宿泊したため、国家的な式典の数々がホテル周囲で行われており、屋上のプールから、頭上すれすれと思
えるほどの高さで戦闘機が飛び交ったり、地上から打ち上がった花火を同じ高さで間近で見ることができ
、過去の旅行の中でもベスト3に入る経験でした。

 このマリーナベイサンズですが、難関な建築物である故に日本やフランスの大手ゼネコンが建設の入札を
撤回したとか、それにもかかわらず某国の建設会社が予定工期の半分で完成させたとか、建物が徐々に傾
いてきている、など物騒な噂もあるようですが、屋上プールに入るために宿泊する価値はあると思うので
是非行かれてみてはいかがでしょうか。シンガポールは近年観光の開発がすすみ、北海道の旭川動物園が
お手本にしたと言われているシンガポール動物園、ユニバーサルスタジオ、その他さまざまなレジャー施
設を楽しめファミリーにおすすめです。ちなみに夫がバンジージャンプに興味を示していましたが、開業
前の身であったので全力で止めました。
 今年からは自身が開業したことで日程の確保が難しくなったことに加え、このコロナ禍の影響で旅行自
体いつ行けるのか目処がたたない状況になってしまい非常に残念です。またいつか行ける日を楽しみに、
日々頑張りたいと思います。