Joy!しろうさぎ通信『我が家の事情』

米子市 ふなこし眼科ペインクリニック 船越泰作

 「女性医師を妻に持つ身として、男女共同参画、ワークライフバランスについて」とお題を頂戴
しました。さて何を書いたものか? 悩んでしまいましたのでちょっと「我が家の場合」を紹介し
たいと思います。
 小生:眼科開業医 週6日外来(土曜半ドン)
 妻 :麻酔科医 週2.5日自院ペインクリニック外来&週2.5日出張麻酔
 長男:大学2年
 次男:中学3年 いずれも柔道バカ
 我が家は結婚時の申し合わせにより「家事、育児も折半」を掲げていました。学生時代まともに
米すら炊いたことのなかったダメ男ですが、辛抱強い指導のおかげである程度できるようになった
気でおりました。鳥取大学勤務時代はワークライフバランス支援センターで講演させていただくな
どイクメンも詐称していましたがやはり妻の負担の方が圧倒的でした。「私の方が育児もしている
のに妻はオニ嫁で夫はイクメン……」とよく不満をもらしていました。
 当時は2人とも当直や待機もありましたのでいかに仕事しながら子供の面倒をみるか?が主眼だ
ったように思います。全国学会も子連れで行き併設託児所にお願いしていました。はじめは「子連
れ父ちゃんは少ないかも?」とドキドキしてましたが結構いらっしゃって感心した覚えがあります。
また月一回の隠岐出張にも妻が多忙の時は長男を連れて行ってました。本人は仮面ライダーの食玩
を買ってもらってフェリーで遠足大はしゃぎでしたが、島前病院の皆様には大変ご面倒をおかけい
たしました。感謝しております。使えるものは両家ジジババでもなんでも手を借りながらなんとか
やっていました。
 子供が成長し小生も開業、少し楽になるかと思いきや長男が就学と共に始めた柔道に親子ともど
ものめりこんでしまい状況は悪化。「医師になりたいけど柔道も頑張りたい!」という夢を掲げた
息子のサポートが我が家の主軸になりました。
 昨年妻がこのコーナーに書いていましたが、長男は松江の中高一貫校のスーパーブラック柔道部
に入部。朝練に間に合わせるべく朝5時起床、妻が超速で朝昼2食弁当準備するかたわら、小生が
子供を叩き起こし、水筒準備して始発電車で送り出し。妻が仕事後また超速で弁当作成し松江に車
でお迎え。夕練後の子供に車中で食べさせながら塾へ送迎、小生が最終お迎えに行くという生活を
6年続けました。朝の送り出しはまさに秒を争う戦場です。
 甲斐あって長男は個人団体共インターハイ出場、全日本ジュニア中国ブロック代表等夢を叶え、
幸運にも現役で私大医学部に拾ってもらい柔道も続けています。一安心したのも束の間、兄ちゃん
大好き次男坊が現在全く同じコースを辿っており朝の戦場は続いています。今春のダイヤ改正で始
発が10分早まりさらに厳しくなりました。5時19分です。JR許せません。
 そもそも「男女共同参画」のきちんとした定義を知らなかったのですが「男女が社会の対等な構
成員として自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、均等
に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、共に責任を担うべき社会」(男
女共同参画社会基本法第2条)ということだそうです。何もかも男女等しく平等にということでは
なく、性別にとらわれず一人一人がその人らしく得意分野を活かして活躍しながら生きることなん
だそうです。
 そう、得意分野を分担すれば良いという事のようです。我が家では夫婦フルパワーで働きながら
如何に効率よく素早く家事をこなすかが重要です。必然的に食事や子供のお弁当といった高度な家
事はもっぱら奥様が担当してくれます。下手に手を出すと足を引っ張りますので仕方がないのです。
そして小生の得意分野&担当はまさに単純労働。以前は食器手洗いが一大業務でしたが数年前大型
食洗機を買って貰っちゃいました。その他洗濯&たたみ、炊飯、時々掃除(ルンバ)。
 ……あらためて見直すと「適当に突っ込んでボタンを押す」モノばかりですね。家事と言えるの
か不安になってきました。昨年手に入れた愛用のホットクックもやっぱり同じカテゴリー。それす
ら当初色々チャレンジした煮込み系はご無沙汰で現在9割方温泉卵です。
 子供の手が離れた途端熟年離婚されないよう、もう少し頑張ろうと思います。