Joy!しろうさぎ通信『ブラック柔道部と勉強は両立できるのか? 長男の門出によせて』

米子市 ふなこし眼科ペインクリニック 船越多恵

 朝5時に起床。
 朝とお昼のお弁当を2つ、マッハで作り、夫がドリンクを準備する。
 5時31分米子駅発松江行きの電車に送り出す(米子駅まで送るのは夫の担当)。
 長男は、朝練して、学校行って、居眠りして、夕方から20時前まで部活。
 親は仕事を終わらせ、晩御飯を作り、タッパーにつめて、松江までお迎え。
 車の中で晩御飯食べて、塾に直行。
 21時から1時間程度居眠りしながらお勉強して帰宅。
 お風呂に入って、爆睡。
 また朝5時過ぎに起床。
 船越家では、こんな生活が、長男が中学1年から高校3年の夏まで繰り返されました。
小学校の頃から柔道に親子でのめり込み、松江市にあるスポーツ強豪校の中高一貫校に長
男は進学しました。あえて学校名はあげませんが、いわゆる、スーパーブラック部活です
。勉強と柔道の両立を目指しましたが、中学校はともかく高校進学後は、なかなか厳しい
現実に直面しました。
 『大して勉強しなくても、いい成績とれるでしょ?』って思っていたのは、あくまでも
親のあまい、あまい、あま〜い幻想だったと高校進学後に思い知らされました。
 勉強も柔道と一緒でトレーニング。
 努力しなければ点数は取れない。やっぱり基礎は大事。
 勉強しなくても点数取れるなんて幻想中の幻想。
 こんな簡単な現実を、高校3年間で親もようやく学習しました。
 高3最後の夏は、長野でインターハイ出場後は、長野まで迎えに行き、そのまま帰宅さ
せることなく京都の進学塾に放り込みました。12月には、中国地方の代表として選抜され
た全日本ジュニア柔道選手権に練習なしでぶっつけ本番で出場しましたが、当然1回戦敗
退。
 柔道も勉強も、現実はそんなに甘くありません。
 あとはそのまま、ひたすら、ひたすら、ひたすらお勉強です。
 付け焼き刃の浅い浅い知識しかなく、今年の難化した共通テスト数学にむせび泣き、親
子共々、浪人を覚悟しました。
 幸運なことに、なんとか、なぜか、どうしたことか関東の私大に拾っていただき、『一
浪覚悟で一年目は国立で〜』なんて言ってた、まったく現実を見てない余裕の発言は、受
験のストレスの前では瞬間でぶっ飛び、『どこでもいいから、なんでもいいから、この受
験のストレスから解放しておくれ』と大学に送り出すことにしました。
 進学した大学は、現在全日本学生柔道大会でも6連覇中の柔道強豪校で、うちの長男は
残念ながら本学柔道部ではお呼びでない状態です。出稽古として練習に参加されてもらっ
ているようです。
 長男が入った医学部の柔道部も、東医体10連覇などしている、医学部界では、強豪校で
す。ここでは、期待の新人だそうです。東医体6連覇を目指して頑張って欲しいと思って
います。今年の東医体は北海道だそうで、夫とどうやって診療をやりくりして、行こうか
と、今から2人でそわそわしております。大学には最長12年在学できるそうですが、12連
覇は勘弁してもらいたいと思っております。
 6年間を振り返り、やっぱり本人が一番大変だったと思いますが、親もよくやったなと
思います。私たちの、かなりの人生の時間とエネルギーを、子供たちの柔道に費やしてき
たと思います。このために自分の仕事量をかなりセーブしていたと言っても過言ではない
です。柔道を通して、職場だけでは得られないような、多彩な人たちとの出会いがあり、
我が家の生活に彩を与えてもらえました。後悔はなく、人生の中で得難い経験だったと思
っています。またエキサイティングな6年間を提供してくれた長男に感謝しております。
 まだ我が家には、中2の次男が残っております。長男での失敗に学び、軌道修正してい
きたいとは思っておりますが、お兄ちゃん大好きっ子の次男ですので、長男と同じレール
を現在歩み中です。
 親も子も、学習していこうね!と心に誓っておりますが、どうなることやら。

 

写真1 息子の勇姿

写真2 筋勉(勤勉)ルームと親父ギャグ好きの夫が命名
勉強して眠くなったら筋トレして目を覚ますことに特化した部屋

写真3 野村選手と中学3年生秋の長男
NHK鶴瓶に乾杯のロケで野村選手が我が家に。
この事件で高校進学先は、ブラック柔道部に最終決定されました