Joy!しろうさぎ通信『医師と家族になって』

米子市 多喜孝一郎

 冒頭、皆様の日々の懸命な診療に厚く感謝申し上げます。また、今回、このような執筆の機会を
いただけたことに、感謝申し上げます。医師を妻に持ちつつ、医療関係者ではない立場から雑感を
綴らせていただきます。

○自己紹介
 簡単に自己紹介させていただきます。出身は千葉県流山市(千葉県北西部)です。2009年4月に
西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)に就職し、米子勤務を命ぜられたことで初めて山陰地方に縁
ができました。辞令をいただいたときは「米子ってどうやって行くのだろう」と思ったことを懐か
しく感じます。その後、縁あって、妻と出会い、結婚し、現在に至ります。

○我が家の状況
 我が家の主な状況は以下のとおりです。
 ・妻 多喜小夜(博愛病院 麻酔科)
 ・夫婦二人
 ・共働き
 ・一回り以上の年の差があり(妻が上)
 当初はあまりに年の差があり、妻のほうには「騙されているのでは……」という心配の声もあっ
たようです。一方、私に騙すような甲斐性もなく、しっかりした妻に様々な面で引っ張られ、まも
なく9年を迎えようとしています。私自身も、当初は年の差が恥ずかしく、あまり周囲に結婚した
ことも言っていませんでしたが、今ではすっかり違和感も無くなりました。
 共働きということで、家事はしっかり分担している、と言いたいところですが、今回、改めて振
り返ると、妻にその多くを依存しており、反省です。
 一方、料理については、よくしつけられたものだと感じています。結婚前後、私は泊まり勤務を
しており、泊まり明けの日は午前中に帰宅するため、食事を作る機会が多くありました。当初は料
理のレパートリーは極めて少なかったですが、作るたびに妻に褒められ(うまくおだてられ)、料
理の回数を重ねるうちに、そして昨今のインターネット上の充実しているレシピに助けられ、ある
程度の料理ができるようになりました。「ほめて伸ばす」ことの大切さを改めて教訓として感じる
今日この頃です。

○医療関係の皆様との接点
 これまでの医療関係の皆様との接点を一つ紹介させていただきます。
 医療も鉄道も、オペレーションに人が介在します。このため、ヒューマンファクターの理解や、
ヒューマンエラーの低減が大きな課題認識の一つかと思います。
 鉄道では、ヒューマンエラーが発生した場合の再発防止対策を検討で、ヒューマンファクター分
析法を用いた分析を実施することがあります。この分析の質を上げるために、福岡県で実施された
医療安全全国共同行動が主催する「ImSAFER研修」に会社から行かせてもらう機会がありました。
 この研修は医療業界の方が医療従事者向けに開催している研修で、私以外のほとんどの方が医療
従事者でした。参加者の皆様の能動的な姿勢や分析の深さに圧倒され、3日にわたる研修は、夜、
福岡の街を散策する元気もなくなるほど集中させていただきました。そのおかげで私自身のヒュー
マンファクター分析のスキルも少しは上昇したのでは、と感じています。
 改めて、医療従事者の皆様の業務に対する真摯な姿勢と、それによって提供していただける高品
質な医療に感謝せねば、と感じます。
 なお、この研修の話を妻にしたところ、妻も行くと言い出し、一緒に研修を受講したことはいい
思い出です。

○最後に
 とりとめもない話が続きましたが、改めて、私を今日まで引っ張ってくれた妻に感謝です。また、
医師という仕事は、職責の重さもあり、大変な日々が続くとは思いますが、少しでも支えになれば
と感じる次第です。そのために、まずは料理以外の家事を積極的に手伝い、これを継続することで、
妻の負担を少しでも軽減できれば……と考えています。