Joy!しろうさぎ通信『今の私が感じること』
国民健康保険智頭病院 内科 實松 萌
私は現在、医師4年目です。この4月から内科医として国民健康保険智頭病院で勤務させていた
だいています。自治医科大学卒業後、鳥取県立中央病院で研修医を終え、3年目は鳥取県立厚生病
院で内科医として勤務し、現在に至ります。
自治医科大学卒業生は基本、9年間は県の派遣内科医師として勤務することとなっており、まだ
専門は決めていません。というより、内科派遣が決まっていることを理由に専門を決めていないと
言うべきでしょうか。
今回執筆のお話をいただき、何を書けばよいのか迷いました。まだ医師としての経験も浅く、診
療もまだまだな4年目の私が何を書けるのだろうかと思いましたが、地域病院へ転勤して感じたこ
とを書かせていただこうと思います。地域病院で働き始めて感じているのは(私に合った)メリハ
リのある働きやすさです。
私は高校時代に医師を目指し、医学部を受験しましたが現役では合格できず、浪人しても医学部
へ合格できるのか自信がなかったので、医学部は諦め、経済学部へ進学しました。しかし、その後
も医師になる道を諦め切れず、経済学部卒業後にもう一度医学部への道を目指し、奇跡的に合格し、
医師になることができました。諦め切れずに再度目指してようやくなれた医師なので、働くことが
楽しみでした。
私が研修医として働き始めたころから、研修医は基本的に時間外はなし、土日は休み、呼び出し
もなしとなったようで、学生の頃に想像していたハードな勤務形態とはかけ離れていました。その
ような状態から医師3年目に鳥取県立厚生病院勤務となり、初めての主治医、中部では一番大きな
病院ですので、何でも受ける、診るといった具合でした。まだ慣れない中、無我夢中で患者の診療
にあたった1年間はハードでしたが、今となれば多くに先生方に支えられ、助けていただき、また
多くを学ばせていただいた一年間でした。
そのような医師3年目はあっという間に過ぎ去り、4年目、地域病院へ転勤しました。診察する
患者の疾患も以前の病院とは大きく異なり、土日も待機、日当直以外で呼び出されることはほとん
どないため、気持ちにゆとりが持てるようになりました。自身にゆとりが生まれたことで、日常の
診療においても一人一人の患者と向き合える時間が増え、できる検査や治療も限られますが、一つ
一つの疾患についてじっくり考え、深める余裕も出てきたように思います。また、働いていく中で、
自分が将来目標とすべき医師像、働き方についても考える時間もできました。
医師3年目と4年目で働き方や診る患者の疾患は大きく異なりますが、それぞれの病院で学んだ
ことや経験を今後どのように活かせるのか考えながら自分のしたいことを見つけられたらいいかな、
と地域病院へ来てしみじみと感じています。