平成16年5月20日

平成16年度 No.

 

目   次

 

 平成16年4月 診療報酬改定に関するQ&A

 

 

 

Ⅰ 平成16年4月 診療報酬改定に関するQ&A

 

  4月の診療報酬改定に関し、県内の医療機関から提出された質問と、その回答をお知らせ致します。日常診療の参考にして下さい。

 

問1:褥瘡患者管理加算の新設20点(入院中1回)について、褥瘡看護に5年以上の経験を

有する看護師とあるが、5年以上の経験について詳しく教えていただきたい。

回答:5年以上とあるのは看護師になってから5年以上。褥瘡看護に携わったことがあれば

問題はない。特に基準は設けておらず、証明も必要はない。複数名でも可。専任看護職

員と同じ者でも可。専任については、改定診療報酬点数表参考資料(以下 白本)P.455

2)を参照のこと。

   算定に当たっては、褥瘡対策に係る専任の医師及び上記の看護師が作成する必要があ

るが、実際の褥瘡ケアについては診療計画を作成する者以外の看護職員等が行うことで

よい。

 

問2:新たに「褥瘡患者管理加算の基準に係る届出」をしなくても、以前届け出た「褥瘡対

策の施設基準に係る届出」をしており、また褥瘡対策(未実施減算)の基準を満たして

おれば、減算はされないか。

回答:褥瘡対策に関する基準を満たしていれば、減算する必要はない。

 

問3:小児科標榜医療機関においては、夜間であって別に厚生労働大臣が定める時間(時間

外)の標準時間内は診療応需体制の有無にかかわらず小児科標榜保険医療機関における

時間外等加算の特例が算定できると考えてよいか。

回答:6歳未満の患者については、そのとおり。

 

問4:肺血栓塞栓症予防管理料について、術後、予防のために抗凝固剤(ヘパリン等)を投

与した場合は算定できるか。

回答:算定できない。肺血栓塞栓症の予防を目的として、弾性ストッキングまたは間歇的空

気圧迫装置を用いて計画的な医学管理を行った場合に、入院中1回に限り算定する。

 

問5:肺血栓塞栓予防管理料について「計画的な医学管理を行った場合」とは、入院診療計

画書を作成することか。弾性ストッキングのみ使用した場合でも算定可能か。また、診

療録に医学的管理とは、具体的にどのような内容を記載すればよいか。

回答:関係学会のガイドライン「肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガ

イドライン」を参考に、肺血栓塞栓予防のための医学管理を行われたい。カルテには医

療機関の判断で必要な情報等を記載すること。ガイドラインの冊子については、書店に

て購入が可能。また、直接発行元より購入を希望される方は、下記まで。

 

『肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドライン

(ダイジェスト版)』

   発行所:メディカル フロント インターナショナル リミテッド

       東京都新宿区高田馬場1-28-18和光ビル(〒169-0075

       電話 03-3209-5303(代表)

また、ガイドラインの内容は関係学会のホームページ日本血栓止血学会

http://www.jsth.org/、肺血栓塞栓症研究会http://jasper.gr.jp/を参照して頂

きたい。

 

問6:手術の施設基準について、患者への説明は全ての手術を対象としているが、全ての手

術とは何を基準にするのか。創傷処理等に対しても説明が必要か。

回答:そのとおり。全ての手術が対象となる。

 

問7:特別医療費助成制度改正(介護保険サービス)について、請求の際は特別医療費請求

書、総括表は必要なくて、介護給付費請求書と居宅サービス介護給付費明細書の2種類

を提出すればよいか。

回答:(国保連合会からの回答)

その通り。今まで通り提出していただければよい。ただ、医療費などと同時に請求の際には、混乱を防ぐために何か別の袋に入れて提出していただきたい。

 

問8:在宅自己注射指導管理料について、薬剤と注入器が一体となった製剤、例えばイノレ

ット等は今までも300点は算定していなかったが、薬剤とディスポシリンジ使用の人は

300点を算定しているが、今までと同じ解釈でよいか。

回答:薬剤と注入器が一体となった製剤は薬価で評価されており、注入器加算は算定できな

い。(従来どおり)

ディスポーゲブル注射器(注射針一体型に限る。薬剤は入っていないもの。)を処方し

た場合は注入器加算が算定できる。(参照:社会保険通信1044号平成15815日号)

 

問9:亜急性期入院医療管理料の届出に係る病室に入院している患者から、

    特別の料金(室料差額)の徴収はできるか。

② すでに一般病床に90日入院していた患者が亜急性期病床に転室した場合、新たに90日算定できるか。

回答:① 算定できる。ただし、亜急性期入院医療管理料を算定する患者については、「治療上の必要」により当該病室に入院するものであり、特別の料金(差額ベッド代)を徴収することは認められない。

② 算定できる。亜急性期入院医療管理料を算定する病室に入院した日から90日を限度として算定できる。

 

問10:亜急性期入院医療管理料の届出に係る病室数については、一般病床数の1割以下であ

ることとなっている。一般病床101床の場合、届出病床数8床は可能であるか。

回答:可能。1割以下なので10床以下となる。

 

問11:介達牽引が独立した項目として設定されたことにより、理学療法と同一日に重複して

算定することが可能となったのか。

回答:介達牽引の独立は、取扱いはそのままで項目を独立したものである。したがって、従

来どおり理学療法と同一日に重複して算定することはできない。

 

問12:PSA測定し、検査値を明細書記載することとなっているが、月末に測定し検査値が

未だ判らないときは、いかがしたらよいか。

回答PSA精密測定は、レセプトにすべての検査実施日と検査値を記載することとなって

いるので、検査値(結果)が出る翌月に請求することとなる。(2回以上検査を実施する

場合の取扱い)

 

問13:外来化学療法加算の実施基準について

① 施設基準(2)に専任の常勤看護師が当該治療室に勤務していることとあるが、当該化学療法室以外の業務は行えないか。また、複数の看護師が日々交代で勤務する場合は専任とはならないのか。

② 施設基準(3)に専任の常勤薬剤師が勤務していることとあるが、専任とは化学療法室で使用する全ての点滴用抗腫瘍薬の調合、無菌製剤処理業務を行っておれば他の業務を行ってもよいと解してよいか。また、複数の常勤薬剤師が同時に或いは日々交代で実施する場合は専任とはならないか。

③ 外来化学療法加算は点滴注射のみ算定可能と解してよいか。

回答① 当該化学療法室以外の業務は可能。また、外来化学療法を実施する際に専任の経験を有する看護師がいればよい。

  ② 良い。当該化学療法に責任をもつ専任薬剤師が常勤していればよい。

  ③ そのとおり。

問14:手術で新設となった経尿道的尿管ステント留置術について、尿管ステントは保険請求

の対象となるのか。

回答対象となる。(特定保険医療材料)

 

問15:在宅酸素療法指導管理料について、対象疾患に「中等症以上の慢性心不全」を追加と

なっているが、中等症の基準があるのか。

回答慢性心不全の患者の具体的要件は通知を参照されたい。(白本P.208

 

問16:乳腺腫瘍画像ガイド下吸引術は、超音波の時にも算定可能か。

回答可能。通知を参照されたい。(白本P.346

 

問17:有床診療所の薬剤師への評価について、入院患者へ投薬を行った場合に調剤技術基本

料(42点)が算定可能になるとの事だが、これに関して薬剤師が勤務していることの届

出は必要か。

回答特に薬剤師が勤務している旨、あらためて届出る必要はない。

 

問18:在宅中心静脈栄養法指導管理料を算定している病院が同一敷地内にある訪問看護ステ

ーションに輸液管理を毎日指示していたら、在宅患者訪問点滴注射管理指導料は週1回

算定できるか。できない場合、IVHをしている患者が発熱して週4回以上抗生剤の点

滴をした場合は在宅患者訪問点滴注射管理指導料は算定できるか。

回答在宅中心静脈栄養法指導管理料とは併算定不可。(参照:平成164月診療報酬改定

に関する『Q&A』2004326日 P.17 16

 

問19:当院は特殊疾患療養病棟入院料2の承認を受けているが、16年4月1日より特殊疾

患療養病棟入院料2について新たな届出は必要か。

回答重度の肢体不自由児(者)のうち「日常生活自立度がランクB以上」に限ると変更さ

れたので、入院患者数の構成等について届出が必要。(白本P.496、P.4472)参照)

4月1日から算定するためには通常、平成16年4月16日までに届出が必要。

 

問20:施設基準に関する手続きについて、「国立大学の附属病院等」が「国立高度専門医療セ

ンター等」に変更となっているが、当院について開設者(大学長)より管理者(センタ

ー長)に権限の委任が行われた場合、管理者より届出を行ってよいか。

回答国立病院・療養所および国立大学の独立法人化に伴い改めたものであり、取扱いは従

来どおりである。

 

問21:回復期リハビリテーション病棟について、

① 療養病棟入院中、脳梗塞等回復期リハの対象疾患が発症した際、回復期リハ病棟に移動し算定しても良いか。

② 回復期リハ病棟にすでに入院している患者で脳梗塞等が新たに発症した際、発症日を改めて(リセットして)算定してもよいか。

回答 算定可能。

② 当該疾患の発症日を起算日として180日間算定可。

 

問22:病棟移動時の入院料について、同じ病棟内で重症個室から一般病室に移動した日の重

症者療養環境特別加算は算定可能か。

回答:移動先の病室が、重症者等療養環境特別加算を算定できる病室であれば算定できる。

 

 

【県医注】(別刷)平成164月診療報酬改定に関する『Q&A』2004326日につきましては、日本医師会のホームページ(http://www.med.or.jp/)からもご覧になれます。