平成15年10月20日

平成15年度 No.

 

目   次

 

 政府管掌健康保険の被保険者証がカード化されます

 

 診療報酬明細書及び調剤報酬明細書の紙以外の媒体による保存について

 

    院外処方せん発行医療機関におけるレセプト平均点数の補正手順

 

Ⅳ 社会保障部常任委員会における提出議題・回答について

 

 

 政府管掌健康保険の被保険者証がカード化されます

社会保険庁

地方社会保険事務局

社会保険事務所

カードの更新

政府管掌健康保険の被保険者証については、平成15年10月1日以降、次に該当する方から、被保険者証カードが、被保険者及び被扶養者に一人一枚交付されることとなります。

1.     平成15年10月1日以降、新たに政府管掌健康保険に加入される方。

2.     現在、紙の被保険者証をお持ちの方で、平成15年10月1日以降に

    婚姻等により姓が変更となる方。

    破損、き損などにより被保険者証の再交付を受ける方。

    被扶養者の追加を行う必要がある方。

上記以外で現在の紙の被保険者証をお持ちの方は、平成16年1月から3月の間に、順次、被保険者証カードに更新されます。

 更新手続き中に医療機関に受診する場合、事業主は「健康保険被保険者資格証明書」を発行します。

 

現在の被保険者証

現在の紙の被保険者証は、平成16年3月31日をもって使用できなくなります。

 ただし、平成16年4月までに予定されている市町村合併等により、被保険者証の記号を変更する必要がある市町村に所在する事業所(注)については、当該合併後に被保険者証カードへの更新を行うこととしていますので、当該事業所に係る紙の被保険者証は、平成16年5月31日までは使用できます。

(注)* 市と市が合併して名前が変わる市に所在する事業所

    他の市に編入され、名前が変わる市町村に所在する事業所 等

 

これに伴い、遠隔地被保険者証が廃止になります。平成15年9月30日までに交付された遠隔地被保険者証については、被保険者証カードへ更新するまでの間(平成16年3月31日まで)は有効です。

また、現行の世帯型様式の被保険者証及び遠隔地被保険者証の有効期限は、前記の更新が終了した日限り無効となります。

 

被保険者証カードの様式

新しい被保険者証カードは、被保険者用と被扶養者用の2種類があります。以下に主なカードの記載事項をお示しします。

1.被保険者は「本人」、被扶養者には「家族」と書かれた被保険者証カードがそれぞれ交付されます。レセプトの「本人・家族」欄の書き間違い、入力間違いがないようにご注意下さい。

2.被扶養者用には、被扶養者の氏名の下に被保険者名が記載されます。

3.生年月日の下に被保険者用には「資格取得年月日」、被扶養者用には「認定年月日」が記載されます。(ただし、社会保険庁で認定年月日を管理していない場合、タイトルも含め認定年月日が記載されません。)

4.家族被扶養者用の「続柄」は削除されます。

5.被保険者証カードに記載する氏名について、社会保険庁で管理していない漢字等がある場合には、被保険者用、被扶養者用に関わらず、カナ文字で記載されることとなります。

1.            被保険者用と被扶養者用で共通となります。

2.            資格がなくなった後の受診を防止するため、被保険者証は、受診の都度、毎回確認をしていただくようお願いします。

3.            被保険者証が交付された際には、住所欄を自署することとされています。

 

偽造防止について

新しい被保険者証カードには、表面に特殊インクによる印刷を施しており、カードを斜めに傾けると「SEIKANKENPO」の文字が浮かんで見えます。


 診療報酬明細書及び調剤報酬明細書の紙以外の媒体による保存について

日医発第565号(保10415.10.8

日本医師会長 坪井 栄孝

 

本年3月25日付日医発第1163号(保187)「政管健保の再審査申出に際しての診療報酬明細書及び健康保険組合における診療報酬明細書の紙以外の媒体による保存について」により、社会保険診療報酬支払基金に対する再審査等の申出に際しての診療報酬明細書等の取扱いにおいて、レセプト情報管理システム(DVD化)の導入に伴い、当該システムからプリンタ出力した再審査等請求用のレセプトについて、診療報酬明細書等の原本として取り扱うこととしたこと、同様に、健康保険組合における診療報酬明細書等について、紙以外の媒体により保存することができることとなった旨、ご連絡申し上げたところであります。

今般、老人保健法による医療の実施者である市町村長における診療報酬明細書及び調剤報酬明細書、国民健康保険の保険者における診療報酬明細書及び調剤報酬明細書についても、別紙のとおり「レセプトを紙以外の媒体に保存する場合の原本性確保について」に掲げる基準を満たす場合には、紙以外の媒体により保存することができる取り扱いとし、厚生労働省保険局総務課長及び国民健康保険課長よりそれぞれ関係機関に対し、通知されましたのでご連絡申し上げますとともに、貴会会員への周知方ご高配賜りますようお願い申し上げます。

 

<添付資料>

・市町村長における診療報酬明細書及び調剤報酬明細書の紙以外の媒体による保存について

(平15.10.1 保総発第1001001号 厚生労働省保険局総務課長)

・保険者における診療報酬明細書及び調剤報酬明細書の紙以外の媒体による保存について

(平15.10.1 保国発第1001001号 厚生労働省保険局国民健康保険課長)

 

【県医注】本文中「添付資料」は省略します。

 


(参考資料)

レセプトを紙以外の媒体により保存する場合の原本性確保について(基準)

 

1.            レセプト(原本)の全ての記載事項がデータとして保存されること。なお、十分な耐久

性を有する媒体を使用し、保存期間中はレセプト(原本)が復元可能な状態であること。

 

2.            レセプト保存に係るシステム管理責任者を置くとともに、運用管理規程を作成すること。

 

3.            紙以外の媒体に保存したレセプトを原本とする場合には、レセプト(紙媒体)の記載事

項が、全て正確に収録されていることを確認するとともに、確認終了後、収録の完了したレセプト(紙媒体)を廃棄し、紙以外の媒体に保存したレセプトに原本である旨を明示すること。

 

4.            レセプト(紙媒体)を廃棄していない場合は、紙以外の媒体に保存したレセプトを原本

として使用してはならないこと。

 

5.            紙以外の媒体に保存したレセプトを原本として保存し、その記録を紙に復元する場合に

は、システム管理責任者の承認を得ること。

 

6.            前記5による原本の紙への復元は、一枚に限り行うこととし、その復元されたレセプト

(紙媒体)を原本として取り扱うこと。また、紙以外の媒体に保存されているレセプトを、一旦紙に復元した後は、さらに紙へ復元することができないシステムを構築するか、又は復元後の処理状況及び履歴を適正に管理するなど、原本が複数存在することのないよう万全を期すこと。

  なお、復元後の原本に修正が加えられた場合には、修正が加えられた記録を新たな原本

として保存すること。

 

7.            バックアップのために、原本の複製(コピー)を行う場合は、原本が保存されている媒

体とは異なる媒体上に複製(コピー)である旨を明示したうえで保存すること。

 

8.紙以外の媒体に保存したレセプトを原本として保存する場合には、特定の役職員以外の者がアクセスできないようパスワードを設けるなど適切な措置を講じること。また、故意又は過失による虚偽入力、書換え又は消去ができないよう管理上の措置を講じること。

 


 院外処方せん発行医療機関におけるレセプト平均点数の補正手順

 

保険医療機関の指導対象は、各診療科のレセプト平均点数により高点数の医療機関が選定されているところであります。

薬剤が院内処方か院外処方かによる不公平を是正するため、従来は院外処方の場合に一定の点数を加えて平均点数を算出しておりましたが、薬剤料は各科により異なることから、各科ごとの薬剤料を算出し、できるだけ公平になるように医師会として要望しておりました。

今回、社会保険事務局より、院外処方の医療機関の平均点数を以下の如く補正する旨の連絡がありましたので、下記のとおりご参考までにお知らせ致します。

 

 

 

 

1 指定する薬局の調剤レセプトのうち、指定する診療所に係る調剤レセプト(15年10月請求分)を抽出する。

 「以下、対象レセプトという」(すべての応需薬局)

 

2 対象レセプトから診療所毎に受付回数(①)、薬剤料(②)の合計を別紙Ⅰへ転記する。

 

3 ①(受付回数)、②(薬剤料)を集計し合計を出す。

 

4 ②(薬剤料)÷①(受付回数)=院外処方せん1枚当たりの薬剤料・・・・・③

 

5 指定診療所の全処方せん発行件数(14年10月調剤分)・・・・・

 

6 指定診療所の全レセプト件数(14年10月診療分)・・・・・

 

7 ③-(71-42)=処方せん1枚当たりの補正点数・・・・・

8 ×    =レセプト1件当たり補正点数・・・・・

 

9 対象医療機関の平均点数+=対象医療機関の補正後の平均点数

 


Ⅳ 社会保障部常任委員会における提出議題・回答について

 

平成15年10月9日、社会保障部常任委員会を開催しましたが、その際の各委員提出の議題を掲載し、当日の議論を踏まえて意見・回答として簡単な注釈を加えました。

今後の診療の参考にして下さい。

 

① 脳血管障害後の外来リハビリテーションについて<国保審査会委員>

脳血管障害後の患者様の外来リハビリテーションについて御検討いただきたいと思いま

す。特にリハビリテーションを発症後どの程度まで必要なのか、各委員の先生方にお考えがあれば伺いたいと思います。今回の検討のみで結論は出ないと思いますし、各方面の意見も参考にしなければならないとは思いますが。

意見・回答 個人差がある。2~3ヶ月を1クールと考えている。特に取り決めをしていない。

 

② 採血データや疾病に対する質問について<西部医師会委員>

採血データや疾病に対する質問で、本日は「話しだけ」との由で受診され、受診後、

診察料を拒否される場合があります。同様に検診結果を持参され、説明等希望されますが、診察料を払われない場合もあります。投薬や検査、注射がなければ無料と考えておられるのでしょうか。

意見・回答 検診結果の説明だけの場合、診察料が算定できないと明記してある。疾病に関する質問等があれば算定可。他の医療機関での検査結果の説明で受診された場合は算定可。

 

③ 特定疾患療養指導について<西部医師会委員>

領収書の内訳で「特定疾患療養指導」と書いたところ、指導はしてもらわなくてもよい

ので、お金を返してくれと言われた由です。「特定疾患療養指導」ではなく、例えば「内科疾患管理料」等、適切な用語はないものでしょうか。

意見・回答 全国的にいろいろな会で同様の意見が出ており、特定疾患療養管理料」にして欲しいとの要望が出されている。

 

       MRSA感染症治療薬の2剤投与は認められるか。そして、使用期限は

<西部医師会委員>

意見・回答 必要な状況であれば算定可。2週間程度。

 

⑤ C型慢性肝炎患者へのIFNの再々「再」投与は認められるか<西部医師会委員>

意見・回答 2回目以降はレセプトに注記していただき、それにより判断する。

 

⑥ HBe抗原陽性のB型慢性肝炎患者にIFNを投与する場合、肝生検は必須か

<西部医師会委員>

意見・回答 必須事項ではないが、出来れば施行していただきたい。

 

⑦ 手術時の外皮用消毒剤費用は手術料に含まれる。手術前の脊椎麻酔は、麻酔項目で算定されるので、外皮消毒剤費用は算定可能か<西部医師会委員>

意見・回答 算定可。

 

⑧ 疑い病名でのHBs抗原精密検査は認められるか<西部医師会委員>

意見・回答 全国的な調査をしており、認める方向で検討中。

 

⑨ 疑い病名で抗核抗体精密検査は認められるか<西部医師会委員>

意見・回答 疑いだけでは認めがたい。

 

⑩ 入院時検査として、HCV抗体検査と血液型は認められるか<西部医師会委員>

意見・回答 すべてを認めるのは無理。疑い病名を記載して欲しい。血液型は認められない。

 

⑪ 内視鏡施行前検査として、HBs抗原、HCV抗体、梅毒反応はみとめられるか

<西部医師会委員>

意見・回答 胃カメラの場合、スクリーニングとしては認めない。ただし出血が考えられる場合は算定可。レセプトに注記すること。

 

⑫ 内視鏡止血術後、同日又は翌日に行った内視鏡再検査は認められるか<西部医師会委員>

意見・回答 同日の場合,必要な状況であれば算定可。レセプトに注記すること。翌日は算定可。 

 

⑬ デジタルX線画像診断フイルムのサイズは、請求通り認められるか。使用フィルムを

一律半切で請求する施設がある<西部医師会委員>

意見・回答 原則的に部位の大きさによる。レセプトに注記すること。

 

⑭ 慢性腎不全は特定疾患療養指導料や老人慢性疾患生活指導料の算定対定の病名ではない。人工透析中でも高血圧の病名があれば、算定可能か<西部医師会委員>

意見・回答 高血圧は主病名でないので算定不可。

 

⑮ 「生活習慣病指導管理料」が「運動療法指導管理料」になって、算定条件も緩和されたが、その請求状況はいかがか<西部医師会委員>

意見・回答 統計はとっていない。

⑯ 特定疾患療養指導料を二つ以上の医療機関で算定した場合、当県での対応は

<西部医師会委員>

意見・回答 原則は一つの医療機関。必要な状況であれば算定可。

 

⑰ 消化性潰瘍におけるPPI再投与の扱いと、内視鏡検査等は必須か<西部医師会委員>

意見・回答 再投与に1ヶ月は間隔をあける。内視鏡検査等は必須ではない。

 

⑱ 導尿、浣腸、注腸造影時に認められるキシロカインジェリーの量<西部医師会委員>

意見・回答 浣腸では認めない。他の場合、必要な状況であれば算定可。レセプトに注記すること。量は取り決めをしていない。

 

⑲ 高脂血症に対する一日メバルチン20mg投与の扱いについて伺いたい

<西部医師会委員>

意見・回答 必要な状況であれば算定可。レセプトに注記すること。家族性の場合は算定可。

 

⑳ 当県における社保と国保の審査格差是正対策<西部医師会委員>

意見・回答 鳥取県医師会社会保障部常任委員会、総会で対策を検討している。また、基金と国保の合同の会議が開かれている。県医師会はオブザーバーとして参加している。

 

21 前回のこの会でも検討されたが、慢性疾患指導などの指導料が患者の入院などにより査

定されることがあったが、大抵対象になるのが病院であった。しかし最近、開業医同士で

も専門科が異なる場合、たとえば、内科と整形外科などの場合、指導の対象疾患が異なる

のに査定される場合があるが、不合理と思われます。如何でしょうか。

 また最近各種の指導料、管理料があり混乱している、マニュアル的なものが作れないか

と思いますが。<東部医師会委員>

意見・回答 どうにもならない。実際には査定はないのではないか。マニュアルは来年4月の点数改正以降、検討したい。

 

22 マイスリーは「精神分裂病及び躁うつ病の不眠には有効性は期待できない」となっていますが、「うつ症、不眠症」と病名をつけただけで、査定されました。厳しすぎるのではないでしょうか。<東部医師会委員>

意見・回答 うつ病が主病なら認められない。レセプトに注記すること。

 

23 C型慢性活動性肝炎に対するレベトールとインターフェロンの併用療法の際、必ず開始日の他、治療選択の諸条件を毎月注記しなくてはならないのでしょうか。

 <東部医師会委員>

意見・回答 必要である。レセプトに注記すること。

 

24 保険者の方にこんなことを申し上げるのは失礼ですが、莫大な時間と人件費を費やして、まれに病名もれを捜し当てるのに、どれだけの価値があるのでしょうか?

 <東部医師会委員>

意見・回答 院外処方の場合、一次審査での病名不備は発見しにくい。また保険者は縦覧点検することにより不備を発見する。時間と人件費を費やしても元を取っているのが現状である。

 

25 入院中の患者が、他の医療機関を受診した際の初・再診料、外来管理加算について

<県医師会委員>

意見・回答 対診扱いとなる。しかし実際には問題となっていない。