健康ア・ラ・カルト

【2)脳と神経】  2)いびき

質問

50代の主婦ですが、十数年来のいびきで悩んでいます。恥ずかしくて他人には言えず、外泊もできません。肥満気味であるのはわかっていますが、リウマチ、緑内障があり、運動不足の解消もできません。いびきのよい治療法はないでしょうか。

回答

◎肥満の人は減量も有効

いびきとは、睡眠中にのどの狭い所を呼吸の空気が通過するときに粘膜が振動して起こる音です。眠ったときだけ起こるのは、眠るとのどの筋肉を含め全身の筋肉の緊張がとれ、のどの内腔(くう)を保持する役目の筋肉の緊張もとれ、狭くなることに加えて、人は横たわって眠るため大きな筋肉の塊である舌などが重力の影響を受け、のどがさらに狭くなるからです。

肥満はのどに脂肪がつき狭くなるため、飲酒や過労は筋肉の緊張の低下が強くでるため、また、鼻づまりの際は口で呼吸することになり、この場合、舌ののどへの落ち込みが強くなって、いびきの原因となります。

いびきの治療は、保存的には、まずアルコールや精神安定剤など筋肉の緊張を低下させる作用のあるものはひかえることです。減量も有効です。

保存的治療が無効、あるいは実施できない場合は手術的治療を行います。鼻づまりに対する手術と、のどを広げる手術があります。無呼吸を伴わないいびきだけの治療の場合は、局所麻酔で外来、あるいは短期の入院でほとんど手術可能です。入院が必要かどうかは手術の部位によりきまりますので、担当の耳鼻科医と相談してください。

(鳥取赤十字病院耳鼻咽喉科・藤田和寿)