Joy!しろうさぎ通信『女性泌尿器科の診療について』
鳥取市立病院 泌尿器科 松島萌希
鳥取市立病院泌尿器科の松島萌希と申します。わたしは医師6年目で、岡山大学を卒業し鳥取県
立中央病院で初期研修を終えた後、岡山大学泌尿器科医局に所属し2年前から鳥取市立病院で勤務
しています。
現在、泌尿器一般の診療はもちろんなのですが、鳥取市立病院の女性泌尿器の診療に大きくかか
わらせていただいています。女性泌尿器は泌尿器科の中でも比較的マイナーな分野で、わたしも鳥
取市立病院で勤務するまではほとんど疾患の事すら知りませんでした。鳥取市立病院では以前から
すでに男性の先生方が女性泌尿器の外来をされていたのですが、わたしが異動して来て、やはり女
医が女性泌尿器を診た方がいいだろうということではじめは正直わたしのモチベーションというよ
りは女医だから、という理由で女性泌尿器にかかわることが決まりました(もちろんそれが嫌だっ
たということはないのですが)。全く何もわかっていない状態から、外の病院に月に何度か研修に
行かせて頂き女性泌尿器を専門とされている先生の元で外来をさせてもらったりして、ある程度自
信を持って女性泌尿器科を診れるようになってから鳥取市立病院でも単独での女性泌尿器外来を持
たせてもらいました。
女性泌尿器の対症の疾患は主に骨盤臓器脱で、その中に子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤があります。当
院ではロボット支援下仙骨膣固定術を骨盤臓器脱の治療として行っており、わたしも最近執刀がで
きるようになってよりやりがいを感じるようになりました。他にも尿失禁や排尿障害など、QOL
にかかわる部分を特にみる分野だと思います。骨盤臓器脱の治療後は明らかに下垂感が改善するた
め、すごく喜ばれてこちらもうれしい思いをすることが多いです。はじめは自分の意志とはあまり
関係なくかかわり始めた女性泌尿器なのですが、この2年間でいろいろな患者さんや治療に携わっ
て、できれば女性泌尿器を専門として将来やっていけたらいいなと考えています。
泌尿器科は特に女医の比率が低い診療科で、女性の受診のハードルが比較的高い診療科なのかな
という風に思います。その中でも女性泌尿器は外陰部の診察が必要となるため特に女医が担う役割
は大きいと考えられ、女医であるという事だけで患者さんにありがたがられることも多いです。今
の時点ではありがたがられても、まだまだ自分の知識や経験に自信がなく素直に受け取れないしあ
まり受け取るべきでないとも思うのですが、今後より研鑽を積んで、自信を持って良い診療を行っ
ていきたいと考えています。
排尿や陰部の事はなかなか他人に相談しづらいことで、女性泌尿器科の対象となる潜在的な患者
さんは実はたくさんおられるのではないかと思います。ほんのささいな症状でも女性の外陰部の関
連のことならとりあえずなんでもみるようにしています。こちらをご覧の先生方で、もしそういう
ことでお困りの女性の患者さんがおられましたら是非こういう外来があるらしいと教えてあげてみ
ていただけますと幸いです。