健康なんでも相談室

股関節人工骨頭の耐久性

回答者:  鳥取県東部医師会員 山本哲章

 

質問

  40才男性です。交通事故で左大腿骨頸部を骨折し人工骨頭を挿入しました。調べると人工骨頭の耐用年数は15年~20年と記載があり、将来必ず再手術を受けることになりそうです。具体的に何年くらい耐用年数があるのでしょうか?またどのようなことに気を付ければよいですか。

 

 

回答

 年1回エックス線で確認

 

 

 人工骨頭置換術は大腿骨の中に金属の大腿骨頭インプラントを挿入して金属と骨とを固定する手術です。当然金属と骨の剛性は違いますから、人工骨頭に体重をかけた場合骨頭と大腿骨の間でわずかにずれが生じます。基本的には軽微なずれなので自然に緩衝しますが、大きな衝撃が加わると固定部が破断することもあります。ジャンプ動作、マラソン、接触スポーツはお勧めしていません。また材質の進歩はありますが、人工骨頭は一般的には15年で80%、20年で50%程度の耐久性です。ただ個人の骨の状態や使用するインプラントとの相性などによってもずいぶん耐久性は異なりますから、人により違います。そのため最低年に1回程度はレントゲン写真をとり、その時の状態を確認しておく必要があり、レントゲンで早期に異常を発見し侵襲の少ない再手術を選んで乗りきることも大切です。