健康なんでも相談室

『パーキンソン病』『甲状腺機能亢進症』など

回答者:  鳥取県西部医師会会員 安井 建一

質問

 40代、女性です。最近ですが、コンビニでお釣り、小銭を貰う際、食堂でお皿を貰う際など手や指が勝手に震えてしまい、また家でテレビを見ている時は首が揺れていると家族から指摘をされています。また異常に汗がふきだし、母は、まったくありませんが祖母も、親戚の叔母も50才頃からパーキンソン病を患っています。幸い、叔母は初期のパーキンソン病なので薬を飲みながら書道の先生をしています。両親は私がパーキンソン病発症したのではないかと不安感があり、初期に表れる症状などありましたら教えて欲しいのと日常生活での注意点も教えてください。



回答

 手のふるえも、原因さまざま

 

 パーキンソン病は手のふるえをきたす代表的疾患です。脳内のドパミン細胞が減少、機能低下し、ふるえのほか、動作緩慢、歩行障害をきたす脳の病気です。ふるえは動作に支障をきたすこともありますが、典型的なふるえは手を使っていないとき(安静時)にみられます。治療の主体は不足するドパミンを補充する薬物治療です。患者さんの1割には家族内発症者があり、遺伝的素因が関わる場合もあると考えられています。

相談者さんのふるえは動作時にみられることから典型的なふるえとは異なるようです。また、異常な発汗もパーキンソン病では説明しにくい症状です。

ふるえの原因もさまざまで、相談者さんの症状を一元的に考えると、甲状腺機能亢進症も疑われます。新陳代謝を促す甲状腺ホルモンが過剰になり、発汗、動悸などとともに手のふるえが表れる病気です。

パーキンソン病の初期症状の代表はふるえですが、ふるえの原因もさまざまです。脳神経を専門とする医療機関を受診して、診察、検査を受けてください。日常生活の注意点は診断がついてからでしょう。