健康なんでも相談室

慢性的な胃部不快感

回答者:  鳥取県西部医師会会員 中村 暢宏

質問

 

 30代の女性。それまでは特になんともなかったのですが、1ヶ月以上前から食事するとすぐお腹がいっぱいになる。食べ物がはいると不快になる。などの症状が続いています。お腹が痛いとかはありません。病院へ行ったところ、機能性ディスペプシアという病気だと言われました。機能性ディスペプシアはすぐ治る病気 なのでしょうか?どういう病気ですか? ストレスがあると起こると聞いていますが、とりたててストレスは感じていません。どうやって治していくんでしょうか?



回答

 機能性ディスペプシア

 

 機能性ディスペプシアという病気は、胃痛、胃もたれなどの症状が、慢性的に続いているにもかかわらず、胃カメラ検査などを行っても、その原因となる異常が特定できない病気です。病気の原因は、胃の運動機能障害、食べ過ぎや刺激物の過剰摂取などで胃の知覚過敏を起こしている。また、精神的ストレスなどが上げられます。診断は胃カメラ検査、腹部超音波検査、腹部CT検査、血液検査などを行い、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃癌、逆流性食道炎などの疾患を認めない事で行います。治療は薬物治療で、第一選択は胃酸の分泌を抑える薬です。その他、胃の蠕動運動を促進する薬を使用します。生活指導では、規則的に食事を摂取する事、一回に食べる食事量を腹六分目か七分目くらいに抑える事、食事の際はよく噛んで食べる事、アルコール、香辛料、炭酸飲料、コーヒーなどの胃酸の分泌を促進する食べ物は控える事です。治療効果には、個人差がありますが、決して治らない病気ではありません。機能性ディスペプシアは治療することで症状が改善でき、食事を楽しんだり味わいながら快適な日常生活を送ることができます。何か気になる症状や思い当たる症状がある場合、また、薬に関して不明な点などありましたら、医師までご相談下さい。