健康なんでも相談室

骨の中にある液体

回答者:  鳥取県東部医師会会員 岡田幸正

 

質問

 62歳女性。左手の人差し指のつけ根(第三関節)の骨の中に液体があることがMRI検査で分かりました。骨のう腫とのことです。

今のところ痛みはありませんが、少し腫れています。骨が割れる可能性もあるそうです。手術のタイミング、後遺症など教えてください。

 



回答

 痛みがないうちは経過観察

 

 骨の中に見える液体の原因は骨のう腫とともに内軟骨腫も考えておいた方が良いと思います。手の指に好発するのは内軟骨腫の方です。骨のう腫も内軟骨種も悪性の腫瘍ではありませんので、痛みがないうちは急いで手術をする必要はありません。しかし、病変部が大きくなって周辺の骨組織を薄くしていく場合があります。このような状況になると骨が弱くなり小さな力でも骨折を起こすことがあります(病的骨折)。病変部が大きくなって病的骨折を起こしそうになってくるとその部位に痛みを生じてきます(切迫骨折)。切迫骨折あるいは病的骨折を起こした場合は早期手術を受けることをお勧めします。痛みがないうちは切迫骨折や病的骨折は起こしていないので腫瘍が大きくなっていないか定期受診され、痛みが生じたらそのどちらかを生じている可能性があるので、担当医に手術が必要かどうかを相談されることをお勧めします。

内軟骨腫はごくまれに悪性へ変化することがあります。その場合も腫瘍が大きくなり、やはり痛みを生じますので、痛みがなく外見上特に変わりがないうちは、まず問題はないかと思います。