43歳男性。脳ドックを受けましたが、「脳皮質下に加齢性変化と思われる小梗塞を複数認めます。」という結果が来ました。コメントとして、「実年齢と比し加齢性変化の出現がやや早い印象です。」とありました。この結果は、今後他の人より早く脳梗塞になるということでしょうか？また、複数の小梗塞は無くなることなく、大きくなっていくのでしょうか？脳梗塞になれば、大変なことになるので不安でいっぱいです。血圧と尿酸値が少し高めなので、服薬治療をしています。また、糖尿病型とも言われています。
大脳白質病変の疑い
脳ドックの結果とコメントを読ませて頂いたところ、無症候性脳梗塞よりも大脳白質病変を疑います。大脳白質病変は慢性虚血性変化とも言われ、脳梗塞とは言えないまでも、動脈硬化などにより血流が悪くなっている状態です。加齢によって生じることが多いので通常は心配ありませんが、高度になると脳卒中および認知症発症のリスクとなります。大脳白質病変の最大の危険因子は高血圧です。また糖尿病、メタボリック症候群、慢性腎臓病、喫煙なども関連するとされています。「年齢と比し加齢性変化の出現が早い」とのことですので、かかりつけ医にて血圧、血糖、脂質異常症などの管理をしてもらってください。
大脳白質病変であれば脳血流が改善することよって病変が縮小した報告もあります。小梗塞であればすでにある病変はなくなることはありません。
今回の病変が大脳白質病変でなく無症候性脳梗塞であっても、高血圧が最大の危険因子であるため、血圧管理が重要となります。
日本脳ドック学会のホームページにて「脳ドックのガイドライン2014」を見ることもできますのでご参照ください。