健康なんでも相談室

夜間の動悸症状

回答者:  鳥取県西部医師会会員 面谷博紀

質問

 70代男性。高血圧症治療中。日中にも時々不整脈が出るのですが、月に2〜3回、夜間の3時頃に動悸がしてなかなか寝られなくなることがあり困っています。原因は何でしょうか?



回答

 心房細動発作の可能性

 

 動悸を感じる原因として、運動、不安や緊張、飲酒、脱水など、生理的な体の反応として脈が速くなったり鼓動を強く感じたりすることがありますが、ご質問の症状が不整脈による動悸かどうかを診断するためには心電図検査を行うことが必須となります。通常の心電図をはじめ、日常生活の中で24時間の心電図を記録することのできるホルター心電図により不整脈診断を行うとともに、狭心症などの虚血性心疾患、弁膜症、心筋症などの心疾患がないかどうか心エコーなどの検査や、甲状腺ホルモンの異常がないかどうかなど血液検査を行っておく必要があります。動悸時に脈の乱れがあるかどうか、速さはどうかなどについて自己検脈を行っていただくと診断の参考になります。

 夜間の動悸発作の原因として可能性があるのは、“心房細動”の不整脈発作です。心臓の拍動がバラバラになり、ご質問のような動悸症状をしばしば伴いますが自覚症状がないことも珍しくありません。年齢とともにその頻度は増加し、80歳以上の方は10人に1人が持っていると言われるほどポヒュラーな不整脈です。問題となるのは、一部の人で心房の中に血の塊(血栓)ができ、血流にのって脳にとび、突然脳梗塞を起こすことがあるということです。高血圧症や糖尿病、心不全のある高齢者(特に75歳以上)がより血栓ができやすいと言われています。  主治医に相談され、必要であれば循環器内科で精査を受けてください。