健康なんでも相談室

膝のケア

回答者:  鳥取県西部医師会会員 瀧田寿彦

質問

 50代、女性です。膝の痛みについての相談です。病院で診てもらったところ、注射器2本分の水が抜かれヒアルロン酸注射の後、様子見というところです。軟骨が減っている、手術は要らないがまた水は溜まるかもと言われました。そこで質問ですが、ウオーキングもよいと聞きましたが、ひざを使うことでまたすぐに水が溜まりませんか。膝に負担のかからない方法で膝痛にならないケアはないでしょうか?

 

 

回答

 変形性膝関節症のケア

 膝に水が溜まるのを膝関節水腫と言います。膝に溜まった水を抜いてヒアルロン酸注射をされた、軟骨が減っているとのことですので、今回の膝痛の原因は変形性膝関節症によるものと考えられます。 さて、ウオーキングで膝を使うことにより水がすぐに溜まってしまわないかとの質問ですが、痛みがないあるいは歩行時痛が軽度であればウオーキングは推奨できます。ウオーキングにより筋力増強、体重減少なども期待できますし、水がすぐに溜まってしまうということもないと思います。だたし、坂道や階段昇降、激しい自転車こぎなどは水腫の再発、増悪の可能性があり避けるべきです。

もう一つの膝に負担のかからない方法で膝痛にならないケアはないか?との質問ですが、最も推奨できるのは大腿四頭筋の等尺性運動です。太ももの前面にある大腿四頭筋を膝関節を動かすことなく鍛えます。まず、仰向けの状態で膝のお皿に力を入れ、膝を伸ばしたまま踵を床から20㎝程度挙上し、そのまま5~10秒間静止します。その後数秒間休み、再び挙上します。これを1セット10回程度を1日2〜3回繰り返します。これにより膝関節の安定性が得られ、ひいては膝痛を防ぐことになります。