健康なんでも相談室

中葉症候群?

回答者:  鳥取県西部医師会員 大賀秀樹

質問

 40代女性。隠れ喘息だったのを知らず20歳~40歳までタバコを吸い、COPD初期と診断され、タバコを止めました。不妊治療をしていたので、軽いパルミコートで症状なく経過していましたが、今年4月から痰が続いており、CTを撮ったら「中葉症候群」と診断を受けました。「将来在宅酸素になるでしょうか?」と聞くと「これを繰り返したり、広がったりするとそうなる」と言われました。次回またCT検査しますが、慢性気管支炎がありタバコが原因の中葉症候群の場合、他の肺も壊れていくのでしょうか。 今までの経過だと何年後に在宅酸素の可能性でしょうか。治療しても、悪化していくのでしょうか。大きな病院に行って、気管支造影検査や内服治療を受けたほうがいいでしょうか。

 

 

回答

 まず禁煙を

 

 とにかく禁煙が大切です。禁煙を続けていれば、COPDでは急速な進行はありません。中葉症候群は肺の一部に炎症を反復するものでこの部分の気管支は走行が長く周囲にリンパ節があるため解剖学的に塞がりやすくなっています。他の肺へ進行することはありません。したがって在宅酸素療法が必要になることはないでしょう。逆に言えばタバコを続けた場合、それによって気管支が傷んでCOPDは進行しますし、中葉症候群の反復でさらにCOPDの進行が加速し、在宅酸素療法が必要になる可能性はあります。呼吸器外来で呼吸機能検査を年1-2回程度実施されることをお勧めしますが、気管支造影までは必要ではないと思います。さらなる投薬が必要かどうかはそこでの判断になります。