健康なんでも相談室

レビー小体型認知症の可能性?

回答者:  鳥取県東部医師会会員 渡辺 憲

質問

 69歳の母ですが、パーキンソン病を13年間患い、同病の薬を服用しています。最近、幻視が毎日のように起きるようになりました。「よその人がそこに見える」と言います。はっきりとした幻視のため、レビー小体型認知症への進行が懸念されます。パーキンソン病からレビー小体型認知症に進行した場合はどのような治療があるでしょうか? また、進行を遅らせたり、病状を良くするサプリメントはありますか?

 

 

回答

 パーキンソン病と一連の病気です

 まず、ご家族の立場でよく観察し、お母様をしっかり支えておられます。パーキンソン病とレビー小体型認知症は、一つながりの病気で、病変が脳幹部に限局する場合は、前者、大脳に広がる場合は後者の病名で呼んでいます。ご指摘のようにレビー小体病と思います。残念ながら、根治薬はまだ開発されておりませんが、認知機能の衰えが進んできているようでしたら、アルツハイマー型認知症で用いられるドネペジル(アリセプト)が症状の改善に有用で、かつ、保険適用も認められています。主治医にご相談ください。

 サプリメントとしてフェルガード(フェルラ酸)を飲んでおられるとのことですが、残念ながら、認知症に対する効果は医学的に証明されておりません。他のサプリメントについても、同様です。一方、緑茶などのポリフェノール、魚に含まれるDHAEPA、緑黄色野菜に多く含まれるビタミンB1も神経の働きを手助けしますので、食事としてこれらをしっかり摂っていただくことも大切です。

 さらに、日中の散歩等の軽い運動、会話等で日々活動的に過ごしていただくことが、昼夜のリズム形成、心のバランス維持につながり、症状の進行を遅らせることに有用と考えます。