健康なんでも相談室

リウマチでしょうか?

回答者:  鳥取県東部医師会員 髙須宣行

質問

 60歳男性です。半年前人間ドックを受診し、血液検査の項目でRF定量:269の異常値がでました。精密検査の受診でリュウマチ専門の整形外科に相談し再度血液検査をし、RF定量は異常値、CRP定量:0.05以下、CCP抗体:0.5未満で、手足のレントゲン結果も特に問題ない。との結果で、治療の必要なしの診断でした。自覚症状としては、手のこわばりが少しあります。痛みや関節の動きに違和感はありません。 定期的に血液検査をしましょうといわれています。 今後、発病の恐れや気をつけておくべきことはあるのでしょうか。

 

 

回答

 リウマチ専門医で相談を

 

 関節リウマチは、血液学的検査・臨床学的検査・画像検査(レントゲン、エコー、MRI)を総合的に判定し確定診断します。血液学的検査には、リウマトイド因子(RF因子)・抗CCP抗体・CRP(炎症の指標)などがあります。RF因子は、関節リウマチ以外でも肝炎などの疾患で陽性になることがあります。また、一般健常人でも陽性率は20-30%との報告があり、RF因子陽性のみで診断は困難です。抗CCP抗体の特異度(陰性であればその疾患ではない)は、90%以上で早期診断に有用です。レントゲン検査でリウマチに特徴的な骨破壊像の有無、臨床的には関節の腫脹・圧痛・滑膜炎の有無を確認します。質問の内容(RF陽性のみ)から判断すれば、関節リウマチの可能性は現時点ではかなり低いものと判断します。また、関節リウマチの発病に与える環境因子は、ストレス・喫煙、・肥満、歯周病などがあります。そのため、発病予防には禁煙に努め適度な運動をしてストレス発散に心掛けるようにすることが寛容です。食事は特に制限はありません。また今後は、これまでと変わった症状(こわばりの持続時間の増悪、関節の腫脹・痛み)がでるようであればリウマチ専門医の診察を受けてください。