健康なんでも相談室

パニック障害の治療について

回答者:  鳥取県西部医師会員 廣江ゆう

質問

 26歳女性です。以前からパニック障害があり、ここ一年前頃から息苦しくなったり、気持ち悪くなったり、手足が冷たくなったりし、動悸がして血の気が引くような感覚もあり、疲れやすくなりました。現在コンスタン、黄連解毒湯、半夏厚朴湯を服用していますが、体調は改善せず毎日不安です。呼吸法については聞いていますが、パニック時にはそれどころではなくなります。

 

 

回答

 抗うつ薬と認知行動療法

 

 パニック障害は、「動悸・発汗・震え・息苦しさ・胸部不快感・めまい感・冷感・現実感の消失・死んでしまうのではないかとの恐怖」などの症状が予期せず突然に出現し(パニック発作)、日頃からまた発作が生じるのではないかとの予期不安を感じる疾患です。パニック発作は数分から数十分で改善しますが、発作が起きたときそこから逃げられない、助けを得られない状況や場所を恐れて避けてしまう広場恐怖を伴うこともあります。パニック障害は、脳の神経伝達物質の異常を伴う脳機能の異常に心因や社会的要因が加わり発症するとされていますが、まだ原因は明らかではありません。治療は抗うつ薬を中心とした薬物療法により症状を軽減させ、認知行動療法などの精神療法により予期不安を軽減させ、狭まった行動範囲を拡大していきます。ご質問をくださった方は抗不安薬と漢方薬を服用されていますが、現在第一選択薬はSSRIという抗うつ薬です。一度主治医の先生にご相談されることをお勧めします。また認知行動療法を進める中で呼吸法を用いることも有効とされています。呼吸法の用い方についても指導を受けられるとよいでしょう。