健康なんでも相談室

「手のしびれ」頚椎症性神経根症

回答者:  鳥取県西部医師会員 山﨑大輔

質問

 60代男性。最近、左手の甲から肩にかけてしびれを感じます。かなりきついですが、首を右にかしげるとしびれが消えるので頸椎の関係かと想像しています。数か月続いており放置してよいのか重篤になることはないのか心配しております。また日常生活ではラジオ体操やストレッチを続けてよいのか悩んでいます。

 

 

回答

 基本的には自然治癒

 

 頸椎を動かしてしびれが増減することから頸椎での神経症状である「頚椎症性神経根症」が考えられます。肩甲骨部から腕にかけて痛みを生じ、腕や手指のしびれを伴うことも多く痛みは耐えられないような強い痛みであったり、上肢の筋力低下や感覚障害を生じることも少なくありません。一般的には頸椎を後ろにそらすと症状が強くなりますので、上を見たりうがいをすることが不自由になります。原因としては加齢変化に伴う頸椎の変性(椎間板突出や骨棘の形成)によって脊髄から分かれた神経根が刺激をされることで生じます。基本的には自然治癒する疾患です。治療としては症状が悪化するような頸椎を後方へそらせるなどの動きを控え、頚椎牽引や症状が強いときには消炎鎮痛薬の投薬などが行われます。他の方法として首に装着する頚椎カラーなどの装具を用いて、頚椎を固定し神経の刺激を低下させますが、日常生活に負担のならない程度に使用することが大切です。治るまでには数か月以上かかることも少なくなく、筋力低下や運動障害が著しい場合などには手術的治療を行う場合もあります。 まずは専門の医師の診察を受け診断の確定がついたところでストレッチや日常生活の指導を受けられることをお勧めします。