保健の窓

生き生きとした毎日を送るための秘訣

尾﨑病院 理事長 尾﨑 舞

まずは姿勢から

  容姿で年齢を感じさせると言えば、肌、髪質を思い浮かべると思いますが、後ろ姿も重要です。後ろ姿がピンと張っている方はそれだけで年齢を感じさせない若々しい印象を受けます。椅子に座っている時、立っている時、どれだけ自分の姿勢に注意しているでしょうか。若々しい姿勢とは背筋が伸びている、胸を開いている、下あごを引いている、腰が引けていない状態です。自分の姿勢を確認しやすいのは、真っすぐに立って、自分の手がどこの位置にあるかでわかります。猫背になっていれば手が太ももの前にありますし、正しい姿勢であれば手は太ももの横にあります。猫背になると身体の重心が前にかかり、足を持ち上げにくくなるため、転倒の危険性が高くなります。姿勢を確認してみてください。つま先を少し広げて、かかとを付けた状態で壁に頭、背中、お尻、ふくらはぎ、かかとをつけて立ちます。肩甲骨(両側にある背中の骨)を身体の中心に寄せるように立つことでも良い姿勢が作れます。歩く時は姿勢が崩れやすくなります。下腹に力をいれ、前を見て、胸をしっかり張って、笑顔で歩くよう心がけることで、自然と良い姿勢が身につき、若々しい印象を与えるはずです。 

 

 

たんぱく質を摂りましょう

 年齢とともに筋肉量、筋力の低下から日常生活に支障が出てきます。筋肉量のチェックが簡単にできます。両手の親指と人差し指で輪っかを作りふくらはぎを囲みます。輪っかよりふくらはぎが小さければ筋肉量が低下している可能性があります。筋肉量は年齢によるものだけではなく、エネルギー摂取不足や食事の偏りに影響されます。筋肉量と筋力を維持するためには十分なたんぱく質の摂取が必要不可欠です。たんぱく質は筋肉の材料になるだけでなく、皮膚、歯、髪の材料にもなりますし、免疫力を高めるといった働きもあります。たんぱく質が多い食品は肉類、魚介類、卵類、大豆製品、乳製品があります。動物性たんぱく質を積極的に摂取することを勧めたいのですが、嗜好の問題や調理の手間などから敬遠される声をよく聞きます。そのような場合は植物性たんぱく質でもよいのです。動物性よりたんぱく質が含まれる量は少なくなりますが、その分ビタミン、ミネラルが豊富です。植物性たんぱく質と言えば大豆等の豆類、アスパラガス、ブロッコリー、芽キャベツ、アボガド等が挙げられます。動物性、植物性たんぱく質を上手に摂取して、いつまでも生き生きと生活したいものです