健康ア・ラ・カルト

【15)皮膚 等】  7)水虫

質問

長年、水虫で悩んでいます。水虫はどうしたら治るでしょうか?

回答

◎完全に治すことができる

水虫は白癬(はくせん)菌というカビが皮膚の最外層の角質層に住みついておこる病気です。水ぶくれができる、足指の間がジクジクする、足のうら全体が厚くなるなどの症状があります。しかし水虫とまぎらわしいものは数多くあり、正しい診断を受けずに薬を塗っていると悪化したり、かぶれたりしますので注意してください。顕微鏡検査で白癬菌がみつかれば確実に水虫です。

水虫の治療の原則は以下の三つです。

(1)足の清潔と乾燥。白癬菌はカビですから、台所の青カビと同じように増殖のためには適当な温度、湿度と栄養が必要です。皮やあかは白癬菌にとっては栄養となります。石けんで指の間、足の裏などをていねいに洗ってください。また洗ったあとよくふいてください。通気性、吸湿性のよい木綿の靴下をはくこと。なるべく靴をはく時間を短くすること。靴もよく乾かしておいてください。

(2)薬を正しく使う。薬は患部より広めにうすく塗り、塗布回数も医師の指示通りに。やたら厚く塗ったり、塗布回数をふやしても無意味です。薬を使い始めるとまもなく症状がおさまり、一見治ったかのようにみえます。しかしこの段階では、白癬菌は死んだわけではなく休んでいるだけで、ここで治療をやめると必ず再発します。足の裏の角質層が新陳代謝で入れ替わるのに約3カ月かかるといわれています。これくらいの期間は症状がよくなってからも薬を塗り続けることが必要です。ただし、症状によっては飲み薬、特殊な治療方法が必要となる場合があります。主治医とよく相談してください。

(3)再感染の防止。水虫が長年治らない人のなかには、実は治癒と再感染を繰り返している場合があります。白癬菌は足からはがれ落ちた皮膚くずの中でも、数カ月は生きています。ですから、治癒していてもそこから再感染してしまうのです。もちろん、家族にうつす危険もあります。風呂場の足ふきマット、畳、じゅうたんなどはよく掃除し、乾燥させておきましょう。

以前は水虫は治らないといわれていましたが、現在では優れた薬ができ、正しく根気よく治療すれば完全に治すことができるようになりました。治せるかどうかはあなたのやる気しだいです。

(東部医師会・神戸直登)