健康ア・ラ・カルト

【16)耳・鼻・のど】  5)蓄膿症

質問

高校生の時に、蓄膿(ちくのう)と診断されました。1年中鼻がつまり、鼻汁がよくでます。その後2回手術を受けましたが、症状はよくなりません。いつも鼻が気になり、頭も重く、憂うつな毎日です。子供もありますので病院通いも大変です。薬を使わず、鼻をすっきりさせる方法はないでしょうか。

回答

◎内視鏡使った手術方法も

蓄膿症は、鼻の穴の周囲にある副鼻腔(びくう)といわれる骨で囲まれた部屋の中にうみがたまる病気です。この部屋は粘膜でおおわれ、空気の入れ替えや部屋の中の分泌物を鼻の中へ送りだすために鼻の穴と細い通路でつながっています。

かぜをひいたあとにここに細菌が感染すると、副鼻腔の粘膜がはれて、通路も狭くなり、うみが鼻の方に出にくくなります。この状態が長く続くと粘膜のはれや掃除する力が弱くなり、結果として、蓄膿症ができあがります。薬などの保存的な治療でよくならず、鼻づまり、鼻汁、頭痛などの症状で日常生活に支障がある場合に手術をすすめられます。

しかし手術をしても、あなたのようにすっきりしない方もおられます。その原因としては、たとえば鼻をきれいにする機能の低下、アレルギー、鼻の中の形の異常などが考えられます。もう一つの原因としては、手術ではれた粘膜が取りきれていないか、ふたたび粘膜がはれてきたことが考えられます。ともかく、蓄膿症がすっきりしない原因を、もう一度調べる必要があります。

最近は、飲み薬や手術法が考案されてきています。特に内視鏡を使った手術法では以前には見ることが難しかった部分の操作が可能となっています。

経過からみて、少なくとも、簡単に症状がよくなるとは思われません。手術ができる病院でよく相談されたほうがよいと思います。

(鳥取大学医学部耳鼻咽喉科・鈴木健男)