健康ア・ラ・カルト

【6)消化器疾患】  5)胃ポリープの治療とは

質問

48歳、男性。先月、胃の内視鏡検査を受けたところ、胃腺腫(しゅ)があり、前回よりも少し大きくなっていると言われました。自分では何の自覚症状もありません。胃ポリープのように見えるが、将来のためには切除した方がよいとされました。どんな病気で、どれくらい入院期間が必要でしょうか。

回答

◎内視鏡的胃粘膜切除術

一般的に胃ポリープと言われている病変のほとんどは良性のものですが、正確な診断のためには、詳しい組織学的検査が必要です。

あなたが指摘された胃腺腫についても、良性炎症性上皮から高分化型癌(がん)までの広い病態を含んでいます。

内視鏡検査で、「前回よりも少し大きくなっているため、将来のためには切除した方がよい」と説明されたのは、一見、良性のポリープのように見えるが、大きさに変化があることから、内視鏡的胃粘膜切除術(以下EMR)という方法で、胃腺腫全体を切除して、より正確な診断と同時に治療も行ってはどうかということだと思います。

最近では、早期胃癌あるいは癌以外の胃粘膜病変(胃腺腫など)について、EMRが普及し、各施設で積極的に行われています。

この方法の利点は、患者さんにとっての身体への負担が少なく、かつ切除した材料の組織学的検索が可能であり、根治的な治療ともなることです。この方法の適応については、病変の大きさ、内視鏡所見、組織所見などから決定されます。合併症についても、粘膜切除による潰瘍(かいよう)形成、出血、せん孔などの危険性があるため、約1週間前後の入院が必要となります。

病変の状態は患者さんによって異なりますので、治療については主治医の先生とよく相談してみてください。

(鳥取県立厚生病院内科・金藤英二)