健康ア・ラ・カルト

【2)脳と神経】  3)足のしびれ

質問

66歳の主婦です。3カ月位前から主に左足(時に右足)が、正座をしているわけでもないのに、正座を長くしている時にしびれが切れたような状態になります。こたつに入っている時にしびれが切れて、すぐ治ったりします。1日に2~3回なることもあります。気持ちが悪く、どこか悪くてそうなるのかと心配です。

回答

◎変形性腰椎症

正座をしているとしびれがきれるのは、膝(ひざ)の裏側を走っている脛骨(けいこつ)神経や坐骨(ざこつ)神経が圧迫されるからです。したがって、あなたの場合も、これらの神経に障害をきたしている症状かと考えられます。右足にも時々あるとのことですので、両側性のようですね。

あなたの年齢から考えて一番頻度が高いのは、変形性腰椎(つい)症による坐骨神経痛です。これは年齢とともに腰椎(背骨の腰の部分)に変形が生じ、脊髄(せきずい)から出る神経を圧迫して症状を起こすものです。典型的には臀部~大腿(たい)後面~膝の裏~下腿へと走るような痛みがみられ、神経が伸展されるような動作をすると痛みが増強します。質問の症状もこれにあたるかもしれません。

また、せきやくしゃみなど脊髄内圧が上昇した時に痛みや異和感を生ずることもあります。この坐骨神経痛は、腰椎椎間板ヘルニアが原因となることもしばしばです。一方、脛骨神経が障害されることはまれです。

いずれにしても、両側に症状があるのでしたら、脳の病気や下肢の血行障害の可能性は少ないと思われますので、上記のような病気を念頭において、まずは一度整形外科を受診されるようお勧めします。

(鳥取赤十字病院神経内科・太田規世司)