健康ア・ラ・カルト

【3)心臓と血管】  3)血管の浮き出た手の甲

質問

55歳女性。年齢のわりに顔にしわがなく若く見られますが、手の甲には全く肉がなく、骨と皮と血管だけです。血管も浮き出てミミズがはったようで見苦しく、人前に出すのも気がひけます。水仕事の後とか、手を上にあげていると血管も見えずきれいです。どこかが病気なのでしょうか。目立たなくする法、手入れの仕方、食事に気をつけることなどあればご指導下さい。

回答

◎手の表情は人それぞれ

どの人も、手は表情に富んでいます。病的なものもあれば、そうでないのも多いのです。肉が薄く血管が浮き出ていること自体、生来のものであって病的とは考えられません。やせにも体質性のやせと基礎疾患があっての症候性やせとがあります。糖尿病、甲状腺疾患、筋萎縮を伴う神経の病気、消化器病変などですが、あなたのは該当しないと思います。

血管が浮き出るのは多く加齢現象で、手を水平に心臓の高さまで上げ、血管が目立たなくなれば普通です。もっと高く上げなければという時は心臓病もあり得ます。

脈をとるとき手の百態を見ます。リウマチによる関節の変形、かびのためもろく黄色くなった爪(白癬病)、平たく反った貧血の爪、掌(てのひら)のぶつぶつ(膿疱症)、ひび割れたざらざらの掌(角化症)、長い間の労働で太く荒れた指、みな人生を物語っています。別の見方をすれば血管の透く繊細な手は羨まれるかもしれません。

これから暑くなります。紫外線の直射は避けて下さい。紫外線は皮膚のしみやしわを加速します(光老化)。ことにそばかすがひどくなりますので、小麦色の肌などと言われて喜ばないで下さい。

あまり潔癖すぎる手洗いや「こする」ことは避けて下さい。中高年の女性は既に皮脂分泌が低下していますから(ドライスキン)。長時間の入浴(ことに熱いおふろ)は控えて下さい。皮膚がかゆくなります。入浴後は忘れずに乳液やスキンケアクリームを。

(県医師会・西田龍之介)