17歳、女性。１年位前から、わきの下から汗がたくさん出るようになりました。臭いも強く、まわりの人からもくさいといわれます。塗り薬を使いましたが効きませんでした。手術するべきかどうか悩んでいます。
◎最終的には手術治療
わきの下に特有の悪臭がある症状を腋臭（わきが）症と言います。腋臭症は思春期から中年期におこり、夏に悪化します。他人からみると臭いなど些細なことのように思われるかもしれませんが、最近は体臭を嫌う傾向が強いので、わずかの腋臭でも本人は深刻に悩んでいる場合があります。
腋臭症の治療で手術以外には、薬用石鹸などでわきをよく洗う、制汗剤をぬる、抗コリン剤や精神安定剤などの飲み薬を飲むなどの方法があります。しかし、これらの治療効果は一時的なことが多いです。その他に電気分解やイオントフォレーゼなどの治療法もありますが効果は少ないようです。
以上の方法で満足できなければ手術治療に頼らなければなりません。手術方法はいろいろありますが、手術の基本はアポクリン腺という汗腺組織をとってしまうことです。
多汗症の場合もほとんど同じ手術手技でおこなわれます。手術後は完全に臭いがなくなると思っている人が多いのですが、手術後も臭いは完全には消えないことがあります。また、わき毛が少なくなるかあるいは生えなくなります。手術の反動で、手術前よりたくさん汗が出るのではないかと心配しておられるようですが、この点についてはまず心配ありません。
（鳥取赤十字病院皮膚科・西浦清一）